旅するというアート - L'art de voyager

日本ではありえない、世界の個性的な出入国審査

記憶に残る入出国審査

ありがたいことに、世界中の人に礼儀正しい国民と思われている日本人。そんな日本のパスポートでの旅行だと、基本的には出入国審査もスムーズにいきます。

これまで入出国のトラブルは一度もありませんが、思わず心の中でつっこんでしまった(私的に)個性的なでおもしろく、記憶に残っているものを書き出してみました。暇つぶし程度にどうぞ。

サムライ!?フランス・パリでの出国審査

まだフランス語も話せず、パリ訪問も何回目かで慣れていなかった頃でした。出国審査なんてスタンプ押して終了のイメージでした。しかしこの日は、ページをペラペラめくりながらやたらマジマジとパスポートを確認する出国審査官。

やましいことは全くないけど、内心ビクビクしていた私に、

出国審査官:Euh… Are you samouraï ? (あなた、サムライですか?)

私:(えーーーっと…)苦笑

落ち着いて考えたら、きっと暇つぶしだったんだろうと。実はその時、出国審査場には私しかいませんでした。フランス語が話せるようになった今なら、もっとおもしろい反応をしてあげれるのにと、時々思い出す出来事のひとつです。

エッフェル塔

昔の私に一目惚れした?台北での出国審査

フランスと同じくらいたくさん行っている台北。無言でスタンプ押されて終了なことがほとんどですが、一度だけおもしろい事件がありました。

通常通り、私の顔をチラッと一見。その後、やたらパスポートをじっくり見られました。そのままこちらに視線は向けず発した一言。

出国審査官:« You are beautiful ! »

私:(あ、どうも« Thank you »

確実に何年も前のパスポートの顔写真に対し、キレイですねと言ったと思われます。私の聞き取りが悪かっただけで、本当は « You were beautiful ! » と言ったんじゃないかとすら思えてきますが。美しさを保つ努力を怠り、すみません。

小籠包

無表情から一転、驚きの表情。フランクフルトでの入国審査

スターアライアンスのマイラーだった頃、ルフトハンザでパリへ行きました。

シェンゲン協定国内での乗り継ぎの場合、目的地がドイツでなくフランスであっても、日本からの国際線の到着の空港で入出国審査を受けます。パリでは出発時の保安検査のみ。

パスポートにスタンプを押され、いつものように無言で返されました。受け取る時、一応お礼を。

私:« Danke schön ! »

入国審査官:« !!! »

今まで無表情だった出国審査官の顔が、急に鳩が豆鉄砲を食らったような顔に。そしてすぐに笑顔。どうやら、わたしのDanke schönの発音が予想外に良かったらしいです。

フランス語の発音は一向に上達しないし、この際ドイツ語に方向転換しようかなとふと思いました。ちなみに、ドイツ語は大学の第2外国語として履修しましたが、覚えているのは基本的な数フレーズのみです。

ルフトハンザ

パリ北駅・ユーロスター利用時の出入国審査

ユーロスターでパリからロンドンへ行く時、パリの北駅でフランス出国審査、続いてすぐにイギリス入国審査があります。

フランスの出国審査はあっさり。この時は観光での訪問でしたが、パスポートには数年前のフランスの学生ビザと滞在許可があったせいか、フランスでの滞在目的(=観光)の確認のみされました。

続いてイギリスの入国審査。一緒にいたフランス人の友人が先に通りました。身分証明書を見せただけで、特に質問も受けずにスルー。

続いて私の番。

滞在目的は?
いつまでイギリスに滞在するの?
フランスに住んでいるの?
などなど…

延々と早口の英語で質問されました。しかも、数秒前まで頭はフランス語仕様になっていたため、こんな簡単な質問を何度も聞き返す始末…。見かねたフランス人の友人が、「英語→フランス語」に通訳をしに戻ってきてくれました。入国審査官、口にこそ出しませんでしたが、その目は「日本人なのに英語はできなくてフランス語はできる変わった人」と言ってました。

どこに行っても、大抵ほぼスルーで入国できるはずの日本のパスポート。こんなに質問を受けたのは初めてでした。フランス人はスルーだったのに。

フィッシュアンドチップス

いつも長蛇の列、パリ第1ターミナル出国審査

スターアライアンスの航空会社に乗ることが多いため、パリでは第1ターミナルを利用する機会が多いのですが、いつも入出国審査は長蛇の列。レトロな第1ターミナルは、パリにいるんだなと実感できて好きなのですが、これだけがいつもちょっとしたストレスです。

昨年2月のパリからの帰りの出国審査は、いつも以上の列でした。ボーディングタイムが徐々に近づいてきたため、係員に何度かアピール。しかし、大丈夫だから待ってなさいとのこと。

何と、ボーディングタイムを過ぎても状況は変わりませんでした。チェックインしてるから、よほど置いて行かれることはないだろうと思いつつも、だんだん焦り始めた時、

係員:アシアナ航空のお客様いますか?

私:はい!私です!

係員:急いで!もう時間過ぎてる!こちらへどうぞ。

さっきそう訴えたんだけどな、と思いながら、順番を抜かして出国審査を受けました。

出国審査を終えてすぐのところに、今度はアシアナ航空の地上係員が。「あなただけを待ってますから、急いでください!」

それからは、満タンのバックパック想定7~8キロを背って猛ダッシュ。アシアナ航空の係員も一緒に並走。時々励まされながら搭乗口まで。機内に着いたときには、長距離走を完走した後のような状態でした。まさかパリの空港で陸上競技みたいなことをするとは…。

次に第1ターミナルを使うときは、十分すぎるくらい時間に余裕をもって行こうと心に誓いました。

ロダン美術館

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