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ワイナリー巡りだけじゃない、フランスのワインツーリズム

写真提供 © VINOTRIP

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ワインツーリズムとは

イタリアに次ぐ世界第2位のワイン生産国(※)フランス。ワイン好きにとっては、ワインはフランス旅行の楽しみの1つですよね。そこで、フランスのワインツーリズム事情と主なワイン産地、そしてフランスのワインツアー専門旅行会社VINOTRIPの紹介も少ししようと思います。

※ 国際ぶどう・ぶどう酒機構(OIV)発表の2022年のワイン生産量に基づくランキング

私事ですが、実はフランスでの修士論文のテーマはワインツーリズム。シャンパーニュのワイン農家でインターンをしながら、ワイン生産者がどのように地域の魅力に貢献できるかについて研究をしました。そんなこともあり、現場を離れた今でもワインツーリズムは私にとって人ごとではないのが実情です。

本題に入る前に、ワインツーリズムとは何かについて少しだけ触れておきます。ワインツーリズムはフランス語ではœnotourisme、「œno- (ワインに関する) + tourisme(観光)」。文字通りワインやその文化に触れる観光のことですが、観光開発に関わる様々な機関がその定義を発表しています。

例えば、国連世界観光機関(UNWTO)は、ワインツーリズムはガストロノミーツーリズムのサブカテゴリーの1つで、その目的はワイン畑やワイナリー訪問、ワインテイスティング、ワインの購入だと定義しています。

またフランス政府観光開発機構(Atout France)は、ワインツーリズムはカルチャーツーリズムとガストロのミーツーリズムの境界に位置し、ワイン生産地での観光目的の滞在に関連するサービス全般を指す。ワインツーリズムは、その地域のワイン、テロワール、人を包括した文化の魅力を発掘する機会を与えるもの、という定義がされています。文面だけ見ると何だか複雑ですが、この定義の根底には、フランスにとってワイン生産は単なるビジネスにとどまらず、大切な伝統文化でもあるという考えがうかがえます。国によりワイン生産の位置付けは異なるため、ワインツーリズムの定義やあり方も自然と異なってくると言えますね。

フランスでできるワインツアーの種類

フランスでのワインツーリズムの定義が少し複雑であることに加え、内容を差別化することで多くの人を惹きつけようとする受け入れ側の戦略もあり、ワインツアーやワイン関連のアクティビティは非常に多様です。その中で、旅行者でも参加しやすいものをいくつかご紹介しようと思います。

ワイナリーでのテイスティング

ワインツアーのアクティビティの中で最も定番と言っていいのが、ワイナリーやワイン農家などでのワインテイスティングです。ワインのテイスティングや購入は産地まで行かなくてもできますが、実際に作られている場所へ行き、生産者に直接会うことができるのがこのタイプのアクティビティの魅力です。ワインも大切な文化の1つであるフランスでは、多くの生産者が予約制または予約なしで観光客の受け入れをしています。

ちなみにフランスのワイン生産者は、地域や形態により呼び名が様々です。ブルゴーニュで使われている「ドメーヌ」、ボルドーなら「シャトー」、シャンパーニュの「メゾン」など一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

また地域にかかわらず、ブドウ栽培からワイン造りまでを自家で行っている比較的小規模な生産者はvigneron(ヴィニュロン)と呼ばれていて、私は個人的にこのヴィニュロンのワイン派です。ヴィニュロンの他に、農家からブドウを買い取ってワイン製造をする比較的大手の生産者、組合員のブドウ農家のブドウでワインを作り販売している協同組合(コオペラティヴ)など、その形態は様々。ワイナリーへテイスティングに行きたいけど、どう選んだらいいか分からないという場合には、この形態の違いと自分の好みを比較して選ぶのもいいかもしれません。

ワイン畑に囲まれた景色の中でのハイキング

私が最も好きなワインツーリズムアクティビティが、ワイン畑の景色を眺めながらのハイキング。近くにワイン農家があれば、歩き終わった後にテイスティングも組み合わせると最高のプランになります。

実はワイン畑の脇を通るハイキングコースは多くあり、観光局のウェブサイトやアウトドアスポーツのポータルサイトなどで見つけることができます。ちなみに、ブドウ畑に限らず私がフランスでのハイキングコースを探すときによく使うポータルサイトは、OutdooractiveVisorando などです。どちらもアプリをスマホにインストールしておけば、GPSを使ってハイキング中にルートを確認することもできます。

また、ブドウ畑の近くでハイキングをする場合に、気をつけたい点がいくつかあるのでリストアップしておきます。

  • 日当たりが重要なブドウ畑、つまり日陰はありません。熱中症などにならないためにも、夏の天気のいい日は避けた方がいいかもしれません。夏以外でも帽子着用とこまめな水分補給は必須です。
  • ブドウ畑の中に入ったり、ブドウの木に触れたりするのは厳禁です。
  • 必ず歩きやすい靴で出かけましょう。できればウォーキングやハイキング用シューズがおすすめです。
  • 多くのブドウ畑では定期的に農薬が使用されています。例えば雨が降った翌日などは、腐敗を防ぐために薬品を散布する農家も多く、近くに行くと化学薬品の匂いがすることもあります。この薬品は当然空気中にも拡散しているため、大量に体に入ってしまうと健康に害を及ぼします。薬品の匂いがしたり、散布している農家の方の姿を見かけたりした場合は、その付近をハイキングするのは避けることをおすすめします。
  • ハイキング中に農家の方や地元の方とすれ違ったら、「Bonjour」と笑顔で挨拶しましょう。ハイキング中に限らず、フランスの田舎では知らない人であっても、すれ違ったら挨拶をする習慣が今も残っています。
  • ハイキング後にテイスティングをする場合は、ワインを口にする前に十分に水分補給をしましょう。
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ワイン関連のフェスティバル

ワインが大切な文化の1つであるフランスでは、ワイン関連のイベントやフェスティバルなどが多く開催されます。観光客でも参加できるものがほとんどなので、地元の人たちに混ざってお祭り気分を味わうというのも、とてもいい思い出になるはずです。

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その他のアクティビティ

全ての種類のアクティビティをここで紹介するのは難しいので、イメージが掴みやすいよう、Atout Franceにより定義されているワインツーリズムアクティビティのリストを参考に引用しておきます。

  • ワイナリー、シャトー、メゾンドゥヴァン、ワイン農家などの訪問
  • ワイン街道巡り
  • ワイン畑やその風景の中での散策やクリーンな移動手段(※)でのランドネ
  • ワイン農家やシャトーでのグリーンツーリズム
  • ワインミュージアムやワイン産地訪問
  • ワイン関連のフェスティバルやイベントなど
  • ワイナリーやワインバーなどでの解説付きワインテイスティング
  • ワインアカデミーでのセミナーや講演
  • ワイン関連のビジネスツーリズム
  • ワインセラピー
  • その他のワイン生産と観光の単なるシネルジーを超えた新しいタイプのアクティビティ

※ クリーンな移動手段とは、環境への悪影響が少ない移動手段のことで、徒歩や自転車などのエンジンを使わない移動手段や、その他のCO2排出軽減に貢献する移動手段のことを指します。

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VINOTRIP – ワインツアーのウェブ予約ができるワイン専門旅行会社

ワインツアーをしてみたいけど、自分で全て計画や予約をするのは少しハードルが高いですよね。そんな時は、フランスの現地旅行会社を利用するのもおすすめです。

フランスにはワインツアー専門の旅行会社もいくつかあり、この記事ではその1つ VINOTRIPを紹介したいと思います。実は私はまだ利用したことはありませんが、スタッフの方と少しお話をする機会があり、他にはないプランもあるのでいつか利用したいと思っている会社です。

vinotrip wine tour bordeaux
© Vinotrip

VINOTRIPは2013年創立のフランスのワインツアー専門オンライン旅行会社です。スタッフは全員ワイン愛好家で、よりオリジナルなプランを提案すべくフランス中のワイン街道巡りを欠かさないのだそうです。

半日〜数日間まで様々なプランがあり、予定に合わせて選ぶことができます。すべてのプランをウェブサイトで見ることができ、希望のワイン産地、参加形態(カップル、友人同士または家族)、そして希望のテーマ(ワイン & ガストロノミー、文化、スポーツ、ウェルネスなど)を選択しておすすめプランを検索することもできます。また、要望に応じてプランのアレンジなども可能なのだそうです。

英語ウェブサイトもあるので、気になる方はぜひプランを見てみてくださいね。なお、交通手段が含まれていないプランもあるので、不明な場合やその他質問がある場合は、直接Vinotripへお問い合わせください。

Vinotrip ウェブサイト https://www.vinotrip.com/en/

VINOTRIPで予約できるフランスの主なワイン産地

フランスのワイン産地地図
© Slow voyage

ローヌ

ローヌ(正式にはヴァレデュローヌ Vallée du Rhône)は、リヨンの南からプロヴァンス地方までのローヌ川に沿った地域で、南北に長いワイン産地です。ドローム県ヴァランス付近までの北ローヌ(Rhône septentrional)と、それより南のローヌ(Rhône méridional)に分けられることが多く、北ローヌは急斜面な丘に植えられた絶景のブドウ畑が特徴。南ローヌは雨が少なく、タンニンが強くて飲みごたえのあるワインが多い地域です。

VINOTRIPで予約できるローヌワインツアーはこちら
https://www.vinotrip.com/en/rhone-valley-wine-tours

ブルゴーニュ

日本にもファンが多いブルゴーニュのワイン。シャブリ、ムルソー、ポマール、ジュヴレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネ、ロマネ・コンティなど、ワイン愛好家にはうっとりするような名前がたくさん。中でもコート・ド・ボーヌ、コート・ド・ニュイ一帯は、ブルゴーニュ・グランクリュ街道と呼ばれ、珠玉のアペラシオンが連なり、ブドウ畑が続く景色も最高。特に秋には黄金色のブドウの葉が息を呑む美しさです。

ブルゴーニュは独特の食文化も魅力で、非常に多くの郷土料理があります。美味しいブルゴーニュワインと郷土料理を味わう旅もおすすめです。

VINOTRIPで予約できるブルゴーニュワインツアーはこちら
https://www.vinotrip.com/en/burgundy-wine-tours

ボジョレー

ボジョレーヌーヴォーのおかげで世界的に有名なボジョレー。ボジョレーヌーヴォーの影に隠れてしまい、まだあまり知られていませんが、他の産地に劣らない良質なワインが作られています。しかも価格と質のバランスが取れたワインが多いため、特にリヨンなどでは根強いファンも多くいます。

ワインもさることながら、ボジョレーはその景色の美しさも見逃せません。ユネスコのグローバルジオパークにも登録されている豊かな自然環境とブドウ畑、ピエールドレ(黄金色の石)の建物が並ぶ中世の街並みは必見です。

VINOTRIPで予約できるボジョレーワインツアーはこちら
https://www.vinotrip.com/en/beaujolais-wine-tours

シャンパーニュ

世界最高峰のスパークリングワイン、シャンパーニュ。華やかなシーンに欠かせないシャンパーニュは数々の厳しい基準を満たし、今でも伝統的な方法を守りながら作られている特別なワインです。ユネスコの世界遺産にも登録されている丘陵の風景や、格式高いメゾン、歴史が詰まった地下のカーヴなどを訪れてその秘密に迫ってみるのは、ここフランスのシャンパーニュ地方へ来た人にしかできない体験です。

VINOTRIPで予約できるシャンパーニュワインツアーはこちら
https://www.vinotrip.com/en/champagne-wine-tours

ロワール

西は大西洋側のナントから、東はリヨンの西隣ロワール県まで、ロワール川に沿っておおよそ1000kmに広がるワイン産地。広域に渡る地域であることから、作られているワインも非常に様々な特徴です。その中心にあるロワール渓谷では古城めぐりも人気で、小さいものも含めると3000近くものお城が点在しています。ロワールの古城巡りを予定している人には、ぜひワインも一緒に楽しむことをおすすめします。

VINOTRIPで予約できるロワールワインツアーはこちら
https://www.vinotrip.com/en/loire-valley-wine-tours

vinotrip wine tour loire
© VINOTRIP

アルザス

フルーティーな白ワインが人気のアルザス。フォトジェニックでかわいらしい家が並ぶ村々や良質なワイナリーなどが点在するアルザスワイン街道。その景色を楽しみながら、ワインテイスティングの旅をするもアルザスならではの楽しみの1つです。

VINOTRIPで予約できるアルザスワインツアーはこちら
https://www.vinotrip.com/en/alsace-wine-tours

ボルドー

言わずと知れたフランス有数のワイン産地ボルドー。ワインに興味がない方でもボルドーは知っているのではないでしょうか。サンテミリオン、メドック、マルゴー、ソーテルヌなど、著名なアペラシオンが名を連ねる地域です。フランスでワインツアーをするなら、ワイン愛好家はもちろん、ワイン初心者にも外せない場所です。

VINOTRIPで予約できるボルドーワインツアーはこちら
https://www.vinotrip.com/en/bordeaux-wine-tours

プロヴァンス

プロヴァンスのワインと言えばやはりロゼですよね。海と山の間に位置するプロヴァンス地方で作られるフルーティーでフレッシュなロゼワインは、世界中で人気のフランスワインの1つです。しかも南仏の太陽の下で飲む冷えたロゼはまた格別。ワインツアーの行き先としてはまだあまり知られていないかもしれませんが、プロヴァンスでしかできないこの経験をしに行ってみるのもおすすめです。

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https://www.vinotrip.com/en/provence-wine-tours

vinotrip wine tour provence
©VINOTRIP

ラングドック・ルシヨン

ラングドック・ルシヨンは、東はローヌ川の河口付近から、西はスペインとの国境まで広がるフランスで最も広大なワイン生産地域で、ブドウ畑の総面積は約243,000ヘクタールにも及びます。雨が少なく地中海性気候の穏やかな気候のこの一帯は、フランス人のヴァカンスや週末のお出かけ先としても人気。フランス人流の休暇を過ごしながら、この地方のワインを楽しむのもおすすめです。

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https://www.vinotrip.com/en/languedoc-roussillon-wine-tours

南西地方

大西洋、ピレネー山脈、バスク地方、マッシフサントラルに囲まれた地帯に位置する南西地方。フランスで最も古いワイン産地の1つでもあります。他のよく知られているワイン産地とはまた違ったワインツアー体験をしたい方にぴったりの地域です。

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https://www.vinotrip.com/en/south-west-france-wine-tours

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