フランス大学院留学

フランスで住居探し【学生レジデンスの場合】

フランスの学生の住居

フランス留学をするのにあたり誰もが悩むことの1つが住居探しではないでしょうか。実際、私もかなり時間と労力をかけました。もう4年くらい前のことですが、これからフランス留学をする方に少しでも参考になればと思い、当時の私の住居探しについて思い出しながら書き留めておくことにしました。

パリやリヨンなどの大都市では物件数に対して入居希望者の割合が多く、きちんとした収入があるフランス人でもいい賃貸物件を見つけるのは難しいのが現状です。そんな状況の中、外国人、しかも学生の身分で住居を見つけるとなるとさらに敷居が高くなります。

それではまず、フランスの学生が一人暮らしをする場合にどんな住居形態があるのかをみてみましょう。

CROUSの学生寮

CROUS(クルス)とは、日本で言う大学生協のようなもので、学生寮や学食の運営など、学生の生活をサポートする組織です。このCROUSが運営する学生寮は、生活をする上で必要最低限のものは揃っていて、家賃も非常に安いのが特徴です。ただ競争率が高く、フランスの奨学生が優先されるため、入居できればラッキーな程度に考えておいた方がいいかもしれません。

ちなみに私は、ニースで2ヶ月間の夏のスタージュ期間、そして夏休み期間の旅行でクレルモン・フェランへ行った時に利用したことがありますが、長期間住むのにはあまり快適ではないなという印象を受けました。

民間の学生専用レジデンス

高等教育機関がある都市には、CROUSの学生寮以外に民間の会社が運営する学生専用のレジデンスもあります。日本のワンルームマンションのような部屋が基本で、家賃はCROUSより高めですが、快適度も高くなります。3人くらいでシェアするような広めの物件があるレジデンスもあります。

私は、リヨンでの2年間の大学院留学のうち、6ヶ月間のシャンパーニュ地方でのスタージュ期間以外は、民間の学生レジデンスに住んでいました。管理が行き届いていて不快な思いをすることも全くありませんでした。また予算面でも、Cafの住宅手当を含めて考えると許容範囲でした。

ルームシェア(コロカシオン)

フランス語ではcolocation(コロカシオン)と言われるタイプです。部屋がいくつかある大きめのアパートを数人で共同で借りて住むスタイルです。一人でアパートを借りるよりも家賃を節約できますが、快適さは他のメンバー次第です。住んでいるメンバーの一人が退去することになった場合などに、インターネット上の掲示板やSNSなどに入居者募集が出されます。

賃貸アパート

コロカシオンと異なり、自分一人で物件を借りる形態です。不動産屋さんやインターネット上の掲示板などで空き物件を探します。不動産屋さんを通すと手数料もかかり割高になりますが、インターネット経由などの個人間の契約だと詐欺事件も多いため注意が必要です。

間借り (貸部屋)

一般家庭の空いている部屋のみを借りるタイプです。多くの場合、キッチンやバスルーム、リビングなどは大家さんと共同で、料理や家事は自分自身ですることになります。大家さんがフランス人の場合、家でもフランス語の練習ができるのはメリットです。

ホームステイ

間借りと同じく、一般家庭の空いている部屋を借りますが、基本的に朝と夜の食事はホストファミリーが用意してくれます。また、洗濯や掃除もホストファミリーがしてくれるケースが一般的です。慣れない地で生活のサポートをしてくれる家族的な存在がいるのはやはり安心です。そのため、語学留学の場合に特に人気の住居形態です。

私はカナダのバンクーバー、フランスでは語学留学時代にニースとパリでホームステイの経験があります。バンクーバーとニースのホストファミリーは本当の家族のように接してくれ、とてもいい思い出になりました。

民間の学生レジデンスのメリットとデメリット

どの住居形態にも共通することですが、それぞれメリットとデメリットがあります。私が実際に住んでみて感じた民間の学生レジデンスのメリットとデメリットをご紹介しましょう。ただし、あくまでも個人的な感想ですのでご了承ください。

学生レジデンスのメリット

  • 大学など高等教育機関へのアクセスが便利な物件が多い。
  • 管理が行き届いている物件が多い。
  • 生活するために必要なものが揃っている。
  • 勉強するためのデスクが部屋に備わっている場合が多い。
  • CROUSの学生寮よりも選考の壁が低い。
  • インターネットや光熱費込みの物件もある。
  • 個人間の賃貸契約より信頼性が高く、詐欺などに合う可能性も低い。
  • ほとんどの物件が、Cafの住宅補助(Aides personnelles au logement – 在仏日本人の間では通称「アロカシオン」と呼ばれることも)申請の対象になっている。

学生レジデンスのデメリット

  • CROUSの物件より家賃が高め。
  • 管理会社と直接交渉する必要があるため、ある程度の語学力が必要。
  • 9月入居は競争率が高く、じっくり比較検討している余裕はない。
  • 渡仏前に契約するケースがほとんどで、実際に物件を訪問してから決めることができない。
  • 9月入居の物件を確保するために、7月または8月の契約開始を求められることが多い。つまり、入居は9月なのに、7月8月の家賃の支払いも必要となる。
  • 入居者は全員学生のため、一般のアパートと比べると、夜遅くにパーティーなどの騒音がある頻度が高い。
  • 学業終了後に継続して住むことは基本的にはできない。

フランスの主な学生レジデンスの管理会社

フランスにある学生レジデンスを管理する会社のうち主なところを挙げてみました。

ちなみに、私が住んでいたリヨン近郊のブロンという街にあるレジデンスは、Cardinal Campusの物件です。ブロンにはリヨン第2大学のキャンパスがあるため学生レジデンスも多く、リヨン中心部よりも家賃相場は若干低めです。

Cardinal Campus

取り扱い都市:
パリおよびその近郊、リヨンおよびその近郊、ボルドー、トゥール、グルノーブル、クレルモン・フェラン、モンペリエ、マルセイユ、トゥーロンなど

ウェブサイト
https://www.cardinalcampus.fr/

Nexity Studéa

取り扱い都市:
フランス、スイスに50都市以上(パリ、リヨン、ニース、ナント、トゥールーズ、エクサンプロヴァンス、マルセイユなど)

ウェブサイト
https://www.nexity-studea.com/

GESTETUD

取り扱い都市:
リヨン、モンペリエ、サンテチエンヌ

ウェブサイト
https://www.gestetud.fr/

Odalys Campus

取り扱い都市:
リヨン、ディジョン、マルセイユ、ナント、レンヌ、トゥール、アンジェ、アミアン、リール、メッス、ナンシーなど

ウェブサイト
www.odalys-campus.com/

Studélites

取り扱い都市:
パリ、リヨン、サンテチエンヌ、ヴァランス、シャンベリー、グルノーブル、マルセイユ、ボルドー

https://www.studelites.com/

物件探し〜入居までの流れ【学生レジデンスの場合】

民間の学生レジデンスの場合、日本で賃貸マンションを探すのと似たような流れになります。大まかな流れは以下の通りです。

  1. 希望に合う物件を探す。
  2. 管理会社または仲介業者にコンタクトする。
  3. 入居可能となったら、契約に必要な書類を提出する。
  4. 賃貸契約を結ぶ。
  5. 入居

それぞれのステップについて、もう少し詳しく説明しましょう。

① 希望に合う物件探し

物件に対する自分の条件を明確にする

インターネットなどで物件の検索を始める前に、まずはどんな物件を見つけたいのか、自分の条件を明確にしておきましょう。そうすることで効率的に検索することもできます。

物件に対する条件としては、レジデンスの場所、学校からの距離や交通手段、家賃の上限、部屋のタイプ、必要な設備などです。私が物件探しをした際の条件は次のようなものでした。

  • 通学時間は、公共交通機関を利用して30分以内
  • いわゆる「治安の良くない地域」ではないこと
  • 近くにスーパーがあること
  • 家賃の上限は450ユーロ(インターネット契約込み)
  • Cafの住宅補助対象であること
  • 部屋はワンルームタイプ
  • 部屋に簡易キッチン、シャワー、トイレ、勉強用デスクがあること
  • レジデンス内にコインランドリーがあること

他にもこうだったらいいけど程度の希望はありましたが、条件が多すぎると選択肢も狭くなります。どうしても譲れない条件のみをリストアップするようにしましょう。ちなみに上記の条件に合う物件で探して、候補は15件ほど見つかりました。

なお、リヨンの賃貸住宅の相場は大幅上昇傾向にあります。私の家賃条件は4年前のものだったということも念頭に置かれるといいでしょう。

具体的に物件を探す

条件をリストアップできたら、具体的に物件探しに入ります。日本にいながら物件を探す場合、インターネットで検索するのが最も便利です。私は、主要レジデンス管理会社のサイトの他に、様々な管理会社の物件が一度に検索できるサイト adele なども参考にしました。

たくさん検索していると混乱してきてしまうため、エクセルファイルなどに、見つけた物件の名前や連絡先、条件などを一覧表としてまとめておくのも便利ですよ。

② 管理会社または仲介業者へのコンタクト

候補物件がリストアップできたら、それぞれの物件に対して問い合わせをしていきます。私の場合、基本的に連絡はメールでしました。初めて連絡する際にメールに書いた内容は、以下の4点です。

  • 9月からリヨン第2大学の修士課程へ2年間留学するため住居を探しているところだということ。
  • ウェブサイトで該当物件を見つけて気になっているが、まだ空いているかどうか。
  • フランスに保証人になってくれる人がいないが契約できるか。
  • その他の質問(ある場合)

どこの管理会社も3日以内には返事をくれました。

その後、空きがあると返事をくれた中から第一希望を決定し、入居希望を伝えます。

先のデメリットの項目にも書いたように、フランスの新学期が始まる9月の入居は競争率が非常に高いため、じっくり検討し過ぎていると、その間に他の学生が契約を進めてしまうことも多々あります。空きありの返事が来て条件に問題がないようなら、すぐにでも入居希望を伝えることが重要です。

あわせて読みたい
大学・大学院留学に必要なフランス語資格 DELF-DALF / TCF /TEF
slowvoyage.net

書類の提出

無事に手続きを進めていくことになったら、まずは必要書類を提出します。提出した書類は管理会社によって審査され、問題なければ契約手続きへと移ります。(管理会社により手続きの内容や手順は異なりますので、あくまでも一例として参考にして下さい。)

必要な書類

私が提出するよう言われた書類は以下の通りです。カッコ内は、具体的に私が提出した書類です。

  • 身分証明書のコピー(パスポートのコピー)
  • 学生証、在学証明書または入学許可証のコピー(Campus France発行の仮入学許可証)
  • RIB(フランスの銀行口座は渡仏後に開くので、出来次第送る旨を他の書類送付時に説明しました。)
  • 記入&署名済みの申込書
  • 保証人に関する書類:身分証明書のコピー、最新の課税証明書、固定資産税証明または最近3ヶ月分の家賃領収書、RIB(保証人なしで契約をしたため提出していません。)

前金の振込

書類の審査が済むと、物件の予約のために前金として150ユーロの支払いが必要でした。私はこの前金は郵便局から海外送金をしましたが、Wiseなどの送金サービスを利用してもいいかもしれません。

渡仏後、自分の日本の口座からフランスの口座への振込にWiseを何度も利用しましたが、手数料が普通の銀行より安く、送金もとても早くて便利です。紹介キャンペーンを利用するとさらにお得なので、初めて利用される場合はよろしければこちらのリンクから登録してみて下さい。

保証人について

日本でも賃貸契約の際には保証人を立てることを求められますが、これはフランスでも同様です。しかも多くの場合、フランス在住の保証人が必要となります。つまり、日本にいる家族は保証人としては認められないことが多いのです。

しかし、初めての留学でフランスには友達すらいないという人がほとんどですよね。仮に友達がいたとしても、保証人になってくれる人はなかなか稀です。ではどうしたらいいのでしょうか。解決策は2つあります。

1. visa Visaleを利用する:18歳〜30歳の学生の場合

30歳以下の成人の学生の場合、Action Logementという機関が運営するvisa Visaleを申請をすることで保証人の代わりとすることができます。ちなみに、お察しの通り私は30歳を超えてからの留学だったので、この制度を利用することはできませんでした。

2. 管理会社と交渉して、保証人の代わりに保証金を預ける

私はこちらの方法で契約をしました。候補物件に初めの問い合わせをした際に、フランス在住の保証人を立てることができない旨を伝え、代替案があるかを問い合わせていたのです。問い合わせた全ての管理会社から、敷金(caution)に加えて保証金も預ければいいという返事がありました。保証金の金額は様々でしたが、実際に契約をしたCardinal Campusの物件は「家賃3ヶ月分を前納」という条件でした。この3ヶ月分の家賃は退去まで預けておくのかと思っていましたが、入居後の最初の3ヶ月分に充てられました。

賃貸契約成立

契約書の確認とサイン

管理会社が前金の着金確認をすると、契約書がメール添付で送られてきました。この内容を確認し、サインをして返送すれば契約完了です。契約書の内容確認は、自分だけでは不安だったので、フランス人の友人にも目を通してもらいました。

入居の立ち会い日時の予約

契約完了後、入居日の決定および入居の立ち会い(Etat des lieux d’entrée)の日時を予約します。

フランスでは賃貸物件に入居する場合、必ずこの「Etat des lieux d’entrée」という入居時の物件の状態のチェックするための立ち会いが行われます。状態をチェックして記録し、この記録は退去時の立ち会いの日まで保管されます。入居時にすでに問題があった箇所の修復費用を請求されたりすることがないようにするためにも、非常に大切な手続きとなります。

電気、ガス、インターネットなどの契約

学生用物件の場合、電気やインターネットなどが含まれているケースもあります。そうでない場合は、自分で業者へ連絡して契約が必要となります。私の場合は、インターネットは賃貸契約に含まれていましたが、電気は自分で契約する必要がありました。(オール電化だったのでガスはなし)

どの電力会社と契約するかも自分で決めることになるのですが、フランス最大手で旧国営のEDF(ウー・デー・エフ)以外にも様々な会社があります。私がこのレジデンス在住中に契約していたのは、 EDFよりも安いプランがあったTotalEnergies(当時はDirect Energieという社名)でした。各社様々な料金体系があり、フランス人にとってもどの会社がいいのか理解するのは複雑だったりします。とりあえずはEDFで契約し、不都合があればその後変更するのもいいかもしれません。

参考までに、フランスの主な電力会社とインターネット業者をリストアップしておきます。

電力会社
・EDF
・TotalEnergies
・Engie
・eni. →現在、私はこちらの会社を利用しています。
インターネット(携帯電話と同時契約で割引がある場合もあります。)
・Orange
・Free →現在、私はこちらの会社を利用しています。
・SFR
・Bouygues Télécom

⑤ 入居当日

入居当日は、指定の時間と場所で担当者と待ち合わせをします。その後部屋へ入り、リストに沿ってチェック(Etat des lieux d’entrée)を行います。基本的には管理会社の担当者がチェックを進めてくれるので、不明点があればその場で質問するといいでしょう。チェックが終わったら、記録をした書類にサインをして入居手続き完了です。

フランスでの住居探しはとても大変ですが、解決策は必ずあるはずです。この記事が、少しでもこれから住居探しをする方の役に立てば幸いです。

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