思わず住みたくなった街メッス|ベルギー・ルクセンブルク・フランス・イタリアを巡るタビナカの旅
束の間のルクセンブルク滞在を満喫した後は、再びフランスに入り、メッスへ向かいました。
メッス出身の同僚がいて何となく興味を持ち、今回の旅に組み込んだのですが、完全にこの街が好きになってしまいました。メッスの冬は驚くくらい寒くて、手袋2枚重ね、ヒートテックも2枚、それでも寒いくらい。にもかかわらず、たくさん歩き回りたくてしかたなくなるような街です。
この記事の目次
メッスでするべきこと&見るべきもの
旧市街をあてもなく散策
まずぜひして欲しいのが、旧市街を散策することです。道が少し入り組んでいたりするところもあるので、迷子になりそうですが、地図などを見ずにあてもなく歩くのがおすすめです。
私はかなり重症の方向音痴のため、何度も同じ道を歩いてみたり、自分がどこにいるのか分からなくなったりしましたが、メッスの旧市街のステキな雰囲気を思う存分感じるのにはこの方法がいちばんです。
メッス大聖堂
メッスへ来たら、メッス大聖堂(La cathédrale Saint-Étienne)を見ずに帰るなんてことはありえません。街のいちばんの見どころで、観光客の少ない冬の季節でしたが、ここには多くの人が訪れていました。
メッス大聖堂は、ステンドグラスの規模や美しさで有名です。ステンドグラスの総面積は6500㎡にも及ぶそうで、中にはシャガール作のステンドグラスもあります。
実は、私がこれまでに行ったフランスの教会のランキングをするのなら、トップはこのメッス大聖堂です。シャガールが好きだからということもありますが、それだけではありません。中へ入って見上げた瞬間、その壮大さに身が震えそうなくらいで、とにかく感動がすごかったんです。
この感動は実際に目で見てみないと絶対にわからないと断言できます。メッスまでこれだけでも見に行く価値がありますよ。
ジャン・コクトーのステンドグラスがあるサン・マキシマン教会
ステンドグラスが好きな人、ジャン・コクトーが好きな人に絶対おすすめしたいのが、サン・マキシマン教会(Eglise Saint-Maximin)です。メッス大聖堂はシャガールでしたが、こちらの教会にはジャン・コクトーのステンドグラスがあるんですよ。
とても小さい教会で、外から見る限りでは中にコクトーの作品があるなんて想像ができないくらいです。場所も中心地から少し離れた何もない小さな通り沿いのため、知らなければ行くことがない少し穴場的な教会でもあります。
赤い鳥居と大聖堂を同時に眺める
メッスには日本の赤い鳥居があるのをご存じですか? Le Plan d’eauという池の中にぽつんと赤い鳥居が建てられていて、どこか厳島神社を思い起こすような風景です。
池の旧市街とは反対側へ行くと、鳥居の柱の間にメッス大聖堂という少し変わった絵も見ることができます。この鳥居は1980年代にメッスで開催された日本関連イベントの際に建てられたのだそうです。
Plan d’eauは旧市街からは少し距離がありますが、お天気が良ければ、池の周りを散歩しながら鳥居が見えるところまで行くのもおすすめですよ。
メッス・ポンピドゥーセンター
メッスといえば、ポンピドゥーセンターがあることでも有名ですよね。斬新で美しい現代建築の建物は日本人建築家の坂茂氏とフランス人建築家ジャン・ド・ガスティーヌ氏の共同プロジェクトです。
展示内容は現代アートがメインで、私の好みとは少し違ったのですが、この建物を見に行くだけでも楽しいですよ。
メッスのおいしいもの
キッシュ・ロレーヌ
メッスは旧ロレーヌ地方(現在は、アルザス、シャンパーニュ・アルデンヌと統合されてGrand Est地域圏)にある街です。
美味しいものが好きな人なら、ロレーヌというとキッシュ・ロレーヌを思い浮かべるのではないでしょうか。キッシュ・ロレーヌは、メッスをはじめとする旧ロレーヌ地方の郷土料理です。
そのため、カフェやパン屋さんなどでは必ずこのキッシュ・ロレーヌが売られています。見た目はシンプルですが、とても美味しくて意外とお腹にもたまるので、朝食や軽いランチにぴったりです。
ちなみに、正真正銘のキッシュ・ロレーヌの具は、ラルドンというベーコンに似た見た目のお肉のみです。この地方以外で食べるキッシュ・ロレーヌには、玉ねぎなどが入っていたりすることもあるのですが、それは本物のキッシュ・ロレーヌではないのだそうです。
パテ・ロラン
メッスがある旧ロレーヌ地方の名物でもう一つおすすめしたいのが、パテ・ロラン(Pâté lorrain)です。日本語では、パテ・ロレーヌと呼ばれることもあります。
サクサクのパイ生地の中に、ワインでマリネしたお肉がたっぷり入っている、こちらもボリューム満点な一品です。
お惣菜屋さんや、この後ご紹介するパティスリー「Fresson」などでも買うことができます。
MOFパティシエ「fresson」のスイーツ
甘いものが好きな人には、MOFパティシエFrank Fressonのお店「fresson」でのティータイムもおすすめです。
MOFとは、Meilleur Ouvrier de France(フランス最優秀職人章)のことで、優秀な職人だけに与えられる称号です。そのMOFの称号を持つパティシエのお店だけあって、味はお墨付きです。メッス出身の同僚も、私がメッスへ行くというとこのお店をおすすめしてくれましたよ。
今ではメッスのどこのパティスリーでも見かける「パリ・メッス」というケーキは、このfressonが発祥だそうです。
fresson
住所:17, rue du Grand Cerf
http://www.fresson-chocolatier-patissier.fr/
※ 2階のサロン・ド・テでイートインも可能
屋内マルシェのスープ
大聖堂からすぐのところにある屋内マルシェには、レストランも数軒入っていて、食事をすることもできます。
あまりの寒さに身体を温めたくて、こちらの「Soupes à Soup’s」というスープショップでスープをいただきましたが、美味しくてとても温まりましたよ。寒い季節にメッスへ行くならかなりおすすめです。
ミラベル
メッスの旧市街を歩いていると、ミラベル(mirabelle)を使った食品が並んでいるお店を多く見かけます。ミラベルは、ロレーヌを代表するフルーツで、生のフルーツは夏の限られた期間だけしか収穫されません。
でも安心してください。ミラベルを使ったジャムやコンポート、キャラメル、リキュールなど、実に様々な製品が作られているので、ミラベルの季節以外でも味わうことができますよ。
ちなみに、ミラベルの季節には、ロレーヌだけでなくフランス中のマルシェやスーパーに生のミラベルが並びます。フルーツなら調理しなくてもそのまま食べられるので、旅行中にもし見かけたらぜひ生のミラベルも味わってみてくださいね。
頑張ればパリから日帰りも可能なメッス。まだ行ったことがない人にはぜひ行ってほしい街のひとつです。