mur de je t'aime
旅するというアート - L'art de voyager

言葉が通じると楽しい旅がさらに10倍楽しい

今日5月16日は「旅の日」。松尾芭蕉が奥の細道の旅に出た日だということから、旅の日と定められたそうです。

旅先で現地の言葉が話せると楽しくて仕方ないという私の、本当に個人的な考えをそこはかとなく書いてみようと思います。

 

旅の醍醐味

私が旅する主な理由は、日常から離れること。自分の家も好きだけど、どうしても気分を変える必要があることもあります。

そしてもうひとつの理由。

それは、自分の知らないものに触れて新しい発見をすること。風景や食べ物もそうですが、少しでも現地の人と触れ合うことも旅する大切な理由です。

 

初めてフランス語を話したいと思った瞬間

フランスが好きで何度も旅をしていましたが、初めはフランス語なんて話せなくてもいいと思っていました。フランス語は難しそうだし、英語で何とかなるし、と。

もちろん話せなくても旅はできます。逆にパリだと、フランス語で話してるのに、やたら英語で答えたがる若いフランス人も多くいます。

 

ところがある時、フランス語話せたらいいなと真剣に思ったことがありました。

アルザス地方のコルマールを旅した時です。

ふらっと立ち寄った刺繍のお店で、フランス語は「Bonjour」と「Merci」しか知らない私に対して、お店のマダムは一生懸命いろんな話をしてくれたのです。全部フランス語で。

もちろん何もわかりませんでした。

ひとつだけ分かったのは、日本人の私がお店を訪れたことがとても嬉しくて、たくさんお話をしたかったんだということ。

フランス語話せたら楽しいだろうと初めて実感した出来事でした。

コルマール

本格的に勉強を始めたのは、それから何年も後のこと。フランス留学をしようと思い始めた頃だったのですが、きっかけはこのコルマールのマダムということに変わりはありません。

ちなみに、その後再びコルマールを訪れた時にこのお店を探したのですが、見つけることができませんでした。あのマダムと話すという夢は未だ叶わずです。

 

フランス語が話せるようになり旅が変わった

7ヶ月の語学留学で、フランス語でコミュニケーションが取れるようになりました。

私は人見知りな性格のため、自分から話しかける勇気はなかなか出ません。しかし、おしゃべりが大好きな国民フランス人、1人で旅しているといろんな人が話しかけてきます。特に地方では、そんなことが頻繁にあります。

ほんのひとときですが、そんな人たちとお話ができる時間が本当に楽しいのです。そこに行かなかったら、そしてフランスが話せなかったら存在しなかった時間です。

これまで、きれいな風景を見たり、美味しいものを食べることが主な目的だった私の旅に、新たな楽しみが加わりました。

すれ違うフランス人の独り言に聞き耳を立てたりすることもまた楽しいです。さすがおしゃべり好きだけあって、フランス人は独り言もとても多いんです。

 

フランス語はフランスだけじゃない

フランス語を話すのはフランスだけじゃありません。フランス語圏の国って意外と多いんです。

私が何度か訪れたところだと、お隣ベルギーの一部もフランス語圏。最も記憶に残っているのは、ショコラティエ巡りをした時。どのお店でも詳しく丁寧にチョコレートの説明をしてくれて満足度200%でした。

他にもヨーロッパなら、リュクサンブールスイスの一部。そしてカナダのケベックアフリカにも多くのフランス語圏の国があります。旅の途中でその国の人たちに出会ったら、お話をすることもできます。

フランス語が話せるようになって、本当に楽しいことが増えました。

 

台湾も大好き、でも中国語はわからない

先週の台湾の旅では、初めて地方(台中)へ行きました。台北では日本語か英語どちらか通じることがほとんどなため予想外でしたが、台中ではどちらも通じないことが何度もありました。

みんな親切で、いろいろ話しかけてくれるのですが、全部中国語。コルマールのマダムの時と同じ状態です。一生懸命話してくれるのに、全く分からないのが悲しい。

今のところ、さすがに中国語(台湾語)を勉強しようとは思ってませんが、台湾の人たちとたくさんお話をできたらいいのにと強く思った旅でした。

 

大好きな国があるなら是非言葉を勉強してほしい

ここまでダラダラと書いて来ましたが、もしすごく好きな国があって、何度もそこへ行っているのなら、思い切ってその国の言葉を勉強することを本気でおすすめします。

フランス語が話せなかった時の一人旅は、本当に1人で旅をしていました。
話せるようになった今は、一人旅をしているのに、1人じゃないのです。

コミュニケーションができるレベルに達するのは1日2日でできることではありませんが、挑戦してみるだけの価値はありますよ。

 

どうしても重い腰を上げられない場合には、まずは「旅の指さし会話帳」のような本を使ってコミュニケーションしてみてもいいですね。台湾版は、全般的なもの以外にも夜市にテーマをしぼったものもあるようです。

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