Fascinant Week-end フランス中がワインツーリズム一色に染まる10月の第3週末
この記事の目次
Fascinant Week-endとは
Fascinant Week-endは、日本語に直訳すると「魅惑的な週末」ですが、Vignoble & Découvertesというワインツーリズムラベル認証を受けた生産者や施設が、一堂に様々なイベントを開催する週末のことで、毎年10月の第3週末に実施されます。元々は9年前にリヨンのあるオーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地域圏限定で始められたイベントでしたが、昨年からはフランス全国で開催されるようになり、開催されるイベントの数は720以上にも上るそうです。ワイン好きな人なら、この期間に合わせてフランス旅行を計画するのもおすすめです。
ちなみに、「Vignobles & Découvertes」とは、フランス政府観光局がワインツーリズムの発展を目的に設定2009年に設定したラベルで、ワイン生産地域や、観光客の受け入れをしているワイン生産者、ワイン文化と関連のある施設などが対象です。ラベル認証を受けるのには、一定の基準を満たす必要があり、単なる自己申請ではなく審査も行われます。フランスでワインツアーを計画する際にどこを訪問しようか迷ったら、このラベルも判断材料の1つにしてもいいかもしれません。
Fascinant Week-end中に楽しめること
Fascinant Week-endの期間中4日間は、普段以上に思考を凝らした様々なイベントが開催されます。もちろんこの期間でなくてもワインツアーなどを楽しむことはできますが、この期間にしか体験できないものもあります。期間直前の時期には公式ウェブサイトのイベント一覧でも見ることができますが、参考までに今年開催されたものの一部を簡単にご紹介しておきましょう。
- 生産者の解説付きワインテイスティング
- カーブのガイドツアー
- ドメーヌで生産者とブランチ
- ワインテイスティングクルーズ
- ブドウ畑をハイキングツアー
- ブドウ畑をサイクリングツアー
- ブドウ畑でヨガ体験
- コンサート
- エスケイプゲームや宝探しなどのアトラクション
今年のFascinant Week-endは、ガロ=ロマン博物館でローマ時代流ワインをテイスティングしてきた
数あるイベントの中から、私が今年の行き先に選んだのはリヨンから約30分ほどのところにあるサン・ロマン・アン・ガルのガロ=ロマン博物館。ワインイベントにガロ=ロマン博物館?と思った方もいるかもしれませんが、こちらの博物館には、古代ローマ時代のブドウ栽培からワイン製造、流通などに関わる展示がいくつかあるのです。
Fascinant Week-endの公式ウェブサイトで、この期間中の日曜日に古代ローマ時代のワインをテーマにしたガイドツアーがあるのを知り、いつものドメーヌ訪問やテイスティングとは嗜好を変えて出かけることにしました。
ガイドツアーは、博物館内の展示の中からワインに関連するものに限定した説明を受けた後、敷地内屋外にある遺跡の一部にある当時のブドウ畑を再現したゾーンへ。複数の栽培方法がありましたが、今のフランスのワイン用ブドウ畑とは全く違う様相で、とても勉強になりました。
そしてツアーの締めくくりは、ローマ時代に飲まれていただろうとされているワインを再現したものの試飲。白と赤それぞれ1種類。赤にはハチミツ、白にはハチミツとさらに3種類のハーブ(タイム、ローズマリー、セージ)がブレンドされていて、飲み慣れているワインとは程遠い味でしたが、意外とおいしく頂きました。何度か飲んだことがある中世にフランスで飲まれていたというワイン「イポクラス(Hypoclas)」とも共通する部分があるなという気もしました。
ちなみにイポクラスとは、ワインにハチミツとシナモン、ジンジャーなどのスパイスをブレンドしたものです。材料だけ聞くとヴァンショー(ホットワイン)のようにも思えますが、イポクラスは少し冷やして飲みます。リヨンの近くにある中世の要塞村ペルージュや、リヨン旧市街の中世をテーマにしたショップ、今回訪れたガロ=ロマン博物館のショップでもボトルで売られています。
Musée Gallo-Romain Saint-Romain-en-Gal Vienne
住所:D502, 69560 Saint-Romain-en-Gal
リヨンからのアクセス:パールデュー駅、ペラーシュ駅またはジャン・マセ駅からTERでヴィエンヌ(Vienne)下車、ヴィエンヌ駅から徒歩約12分
ウェブサイト:https://musee-site.rhone.fr/
イポクラスが買えるお店
Mandragore(リヨン旧市街)
L’estanco(ペルージュ城壁内)
Musée Gallo-Romain内のショップ(サン・ロマン・アン・ガル)
ヴィエンヌ・コンドリウ観光局内のショップ(ヴィエンヌ駅から徒歩5分)
月別フランスのその他の主なワイン関連イベント
このFascinant Week-endだけでなく、フランスでは年中ワインに関わるイベントが開催されています。日本でも知られている大きなイベントから、地元民が多く集まる小規模なものまで。イベントがない週末を見つけるのが難しいくらいです。その全てをリストアップするのは到底無理ですが、私が知っている主なイベントを月別に少しだけご紹介しておきましょう。その他のイベント情報は、ワイン関連の組織やフランス各地の観光局のウェブサイトなどでも見つけることができます。
1月
Saint-Vincent Tournante(ブルゴーニュ/1月の最終週末)
2月
Wine Paris(パリ)※プロフェッショナル向け見本市
パリ国際農業見本市(パリ/2月末〜3月頭)
3月
パリ国際農業見本市(パリ/2月末〜3月頭)
5月
JUSTROSÉ(Sanary/5月上旬)
6月
ワイン農家でピクニック(フランス各地/第1週末)
Bordeaux Fête le Vin(ボルドー/6月下旬)
7月
Fêtes de la Vigne(ディジョン/7月上旬〜中旬)
Rosé, Nuits d’Eté(ボジョレー/7〜8月)
8月
Rosé, Nuits d’Eté(ボジョレー/7〜8月)
Grandes Tablées du Saumur-Champigny(ソミュール/8月初旬)
9月
メドックマラソン(メドック/9月初旬)
ブドウ収穫1日体験(フランス各地/年により変動)
10月
モンマルトル葡萄収穫祭(パリ/第2週末)
Champagne Day(第4金曜日)
11月
Beaujolais Nouveau(ボジョレーおよびフランス主要都市/第3木曜日)
ボーヌ栄光の3日間(ボーヌ/第3週末)
12月
Habits de Lumière(エペルネ/12月中旬)
フランスのワインツーリズムアクティビティを探せるサイト
ワイン関連のイベント以外にも、フランスにはワインツーリズムアクティビティがたくさんあります。最も多いのはやはりドメーヌ見学&テイスティングで、特に小さな家族経営のドメーヌだと生産者から直接話を聞けたり等とても貴重な体験ができます。観光客の見学を受け付けているドメーヌではたいてい英語も通じるので、フランス語が話せないからと言って躊躇する必要はありません。また、それ以外にも様々なアクティビティがあります。
自力で見つけて直接予約するのはハードルが高いと思うなら、アクティビティをウェブ予約できるサイトを利用するのも便利です。私が利用したり参照したことがあるサイトをリストアップしておくので、参考にしてください。
- rue des vignerons
- Winerist
- Viator
- Visit French Wine (フランス観光局Atout Franceが運営するサイト)http://www.visitfrenchwine.com/en/experience
- Champagne booking(シャンパーニュ地方のみ)