ペルージュ（Pérouges） – リヨンから日帰りできるフランスの最も美しい村

中世の要塞都市ペルージュ

ペルージュはリヨンの北東約40kmのところにある中世の要塞都市として知られている村です。人口1300人ほどの小さな村ですが、週末やヴァカンスの時期には、城壁内の地区を中心に多くの観光客が訪れます。フランスの最も美しい村にも登録されているペルージュの魅力はやはり美しい街並み。城壁内は建物や通りなど、当時のたたずまいのまま保存されていて、タイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。また、実際にそこで生活している住民もいるおかげか、観光地にありがちなテーマパーク感も全くありません。

ペルージュの見どころ

半日もあれば十分楽しめるペルージュの村ですが、その見どころや楽しみ方を簡単にご紹介しましょう。

フランスの最も美しい村に登録されている村の風景を楽しみながら散策する

ペルージュの美しい街並みを満喫するには、村の中をあてもなく散歩するのがいちばんおすすめです。小さな路地が迷路のように入り組んでいますが、小さい村なので迷子になることはありません。迷ったかなと思っても、必ず見覚えのある通りに戻って来ます。行き先は決めずに、風景を思う存分楽しんでみましょう。

要塞の機能も備えた教会を見学する

フランスの多くの町や村と同じく、ペルージュにも教会があります。他の教会と少し違うのが、中世にはこの教会が要塞の機能も果たしていたということ。内部に入って細かい造りなどに気を配ると、要塞として使われていた名残が見られます。

アーティストのアトリエショップを訪ねる

ペルージュの村内には、多くのアーティストがアトリエを構えています。アート好きなら、アトリエを巡ってみるのも１つの楽しみです。ほとんどがショップも兼ねたアトリエなので、気に入った作品があれば買うこともできます。

ペルージュ名物のガレット・ドゥ・ペルージュを味わう

ガレット・ドゥ・ペルージュ（Galette de Pérouges）とは、ペルージュ名物のレモン風味のシュガータルトのようなお菓子です。何を隠そう、私がペルージュへ行く目的の１つがこのガレット・ドゥ・ペルージュです。元々ペルージュで作られていたお菓子ですが、1912年にペルージュの村の中心部にあるホテルレストランHostellerie du vieux Pérougesのオーナーが代わった際に、新オーナーが昔のレシピを再現、改良して復活させたのだそうです。シードル、またはセルドン（Cerdon）というこの地方で作られているロゼの甘口スパークリングワインと一緒にいただくと、美味しさ倍増です。

ペルージュの村内には、このガレット・ドゥ・ペルージュを作っているお店が数件あり、イートインだけでなく、テイクアウトすることもできます。また、ガレット・ドゥ・ペルージュを食後のデザートとして食べられるレストランもいくつかあります。私のお気に入りのお店をいくつかご紹介しておきます。営業日と時間を参考までに記載しましたが、特に冬のオフシーズンの時期などは、臨時休業している場合もありますのでご注意ください。

Ô Galettes de Sophie

テイクアウトのみのガレット・ドゥ・ペルージュとタルト・サレの専門店です。私が初めてガレット・ドゥ・ペルージュを食べたのがこちらのお店で、今でもとてもおいしかったのを覚えています。

土・日曜日のみ営業 11:00〜18:00
ウェブサイト https://o-galettes-de-sophie.business.site/

Boulangerie Rapaud

こちらもテイクアウトのみ。村の中心部にあるオーガニックのパン屋さんが薪の火で焼くガレット・ドゥ・ペルージュは、地元の人たちにも人気のようです。

営業：水〜日曜日 08:00〜13:00 / 14:30〜18:00

Hostellerie de Pérouges

ガレット・ドゥ・ペルージュをレシピを改良して復活させたレストラン。レストランでデザートとして、あるいはおやつに、またはテイクアウトすることもできます。それぞれ場所が違うので、以下を参考にしてください。

営業：金〜火曜日
ウェブサイト https://www.hostelleriedeperouges.com/

■ テイクアウトする場合はこちら（営業時間未確認）

■ 食事なしでガレット・ドゥ・ペルージュのみイートインする場合はこちら（営業時間 07:00〜18:00）

■ 食後のデザートとして食べるならこちら（営業時間 12:00〜13:45 / 19:00〜20:45）

リヨンからペルージュへの行き方

電車でリヨンからペルージュへ行く

リヨンからペルージュへ公共交通機関で行くなら、最も便利なのが電車です。最寄り駅はMeximieux-Pérouges（メキシミュー・ペルージュ）。駅からペルージュの城壁内へは徒歩約20分ほどです。時間帯により経路は２通りあります。

１つめは、リヨン・パールデュー駅からAmbérieu-en-Bugey（アンベリュー・アン・ビュジェイ）行きのTERに乗り、Meximieux-Pérouges下車。

もう１つは、リヨン・パールデュー駅からジュネーブ行きTERに乗り、Ambérieu-en-Bugeyで下車。リヨン方面行きTERに乗り換えてMeximieux-Pérougesで降ります。（リヨン発ジュネーブ行きのTERはMeximieux-Pérouges駅には停車せずに通過するため、次のAmbérieu-en-Bugey駅まで行き、折り返す必要があります。）

SNCFのウェブサイトで希望の時間帯を指定して検索すると、どちらの経路かを確認することができます。なお、経路により料金が異なるため、チケットを買う際は注意してください。

バスでリヨンからペルージュへ行く

リヨンのベルクール広場近くにあるPont Guillotiére Rive Droiteバス停から、A32番バス（Lyon〜Bourg en Bresse線）に乗り、Meximieux Gendarmerie – Route de Pérougesバス停で降ります。バス停からペルージュの村までの所要時間は、徒歩で約15分です。

バスの乗車時間は約１時間１０分と時間はかかりますが、片道運賃は2ユーロと安いので、節約したい場合におすすめの方法です。また、週末（特に日曜日）はバスの本数が少ないので注意しましょう。2022年10月現在の時刻表はこちらで確認できます。

■ バス停Pont Guillotiére Rive Droiteはこちら

■ バス停Meximieux Gendarmerie – Route de Pérougesからペルージュの村までのルート

リヨン発の日帰りツアーに参加する

公共交通機関を利用して自分でペルージュへ行くのは面倒、または不安という方は、リヨン発の日帰りツアーに参加するのもおすすめです。ONLYLYON観光局では、ペルージュ&ボジョレーの１日ツアー（英語またはフランス語）も受付していて、一度にリヨン近郊の２つの見どころを回れるので効率的です。

また、世界各地の現地発着ツアーの申し込みができるサイトViatorにも、ペルージュへ行けるコースがいくつか紹介されています。以下はその一部です。

• The medieval town of Pérouges and Bugey wine
• Pérouges Medieval Village Private Half-Day Trip with Tasting from Lyon

ペルージュへ行く際の注意事項

ペルージュの城壁内はほぼ全てが石畳です。そのため、ヒールのある靴やサンダルでは歩くのがかなり大変です。ペルージュへ行かれる際は、スニーカーなどの歩きやすい靴で行くことを強くおすすめします。また、車椅子やベビーカーでの移動もかなり困難なのでご注意ください。

リヨンから日帰りできるその他のフランスの最も美しい村

フランスの最も美しい村とは

「フランスの最も美しい村」、フランス好きな方や旅好きな方なら一度は耳にしたことがあるかも知れません。景観や歴史遺産を保護しようという目的で1982年に発足したアソシエーションで、現在ではフランス各地の172もの村が「フランスの最も美しい村」に登録されています。登録されるのにはアソシエーションが定める厳しい基準を満たす必要があり、登録されている村に行けば、ミュージアムやテーマパーク化されてしまった観光地ではなく、本当のフランスの村の姿を見ることができます。

フランスの最も美しい村公式ウェブサイト https://www.les-plus-beaux-villages-de-france.org/fr/

リヨンから日帰りできる場所に、ペルージュ以外にもいくつか「フランスの最も美しい村」に登録されている村があります。その行き方をご紹介しておきましょう。ただし、公共交通機関でも簡単に行けるペルージュとは異なり、交通の便が良くありません。ここでは最寄駅まで公共交通機関を利用し、そこからタクシーを利用する経路を紹介していますが、フランスの地方の駅にタクシーが常駐していることはほとんどないため、事前予約をしておくのが安心です。また公共交通機関利用の場合は日帰りが難しいこともあります。

オワン（Oingt）

ペルージュと並んで人気のリヨンから最も近い「フランスの最も美しい村」で、ボジョレー地区にあります。ONLYLYON観光局で申し込みできるボジョレー・ピエールドレ地区半日ツアーのコースにも含まれているので、車がない場合はそれを利用して行くのも便利です。

アクセス
車の場合：リヨンから約40km、通常時なら約50分
自家用車なしの場合：リヨン パールデュー駅からTERでLozanne（ロザンヌ）駅下車、TERバスに乗り換えてBois d’Oingt – Légny（ボワドワン レニ）またはBois-d’Oingt（ボワドワン）下車。オワン村までタクシーで約10分。
※ 曜日、時間帯によりリヨンパールデュー駅またはヴェーズ（Vaise）駅からBois-d’Oingt – Légny直通のTERもあり。詳しくはSNCFのウェブサイトまたは窓口で確認ください。

サント・クロワ・アン・ジャレ（Sainte-Croix-en-Jarez）

アクセス
車の場合：リヨンから約50km、通常時なら45分〜1時間
車なしの場合：リヨンからTERでRive de Gier（リヴ・ドゥ・ジエール）駅下車、そこからタクシーで約15分（10km）。

サンタントワンヌ ラベイ（Saint-Antoine-l’Abbaye）

アクセス
車の場合：リヨンから約100km、通常時なら約1時間30分
車なしの場合：リヨン・パールデュー駅からTERでグルノーブル駅下車、Valence方面行きTERに乗り換えてSaint-Marcellin（サン・マルセラン）駅下車 。そこからタクシーで約15分（約12km）。

ポリニャック（Polignac）

アクセス
車の場合：リヨンから約140km、通常時なら約2時間
車なしの場合：リヨン・パールデュー駅からTERでSt-Etienne Châteaucreux（サンテティエンヌ・シャトークルー）駅下車。Le Puy-en-Velay（ル・ピュイ・アン・ヴレイ）行きTERに乗り換えて終点のLe Puy-en-Velay駅下車。そこからタクシーで約12分（6km）
※日曜日以外は、Le Puy-en-Velay駅近くのバスターミナルからバスもあります。時刻表はMobilité en Verayのウェブサイトで確認できます。2023年8月26日までの時刻表はこちら