フランス旅行

フランスの冬の人気お出かけスポット、スキー場について知っておきたい豆知識

フランス人の冬の楽しみ

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フランス人に冬にすることは?と聞くと、かなりの確率でスキーに行くという答えが返ってきます。アルプスやピレネーなど世界有数の山々があるフランスなので、それほど驚くことでもないかもしれません。また、日本と違いスノーボード派はかなり少数。子供から若者、中高年までスキーをする人が多数派です。

週末に近場のスキー場へ行く人もいますが、多くの人が1週間、長い人になると2週間に渡ってスキー場に滞在します。スキー場の宿泊施設も、ピークシーズンには1週間単位でしかできないというところがほとんどです。

フランスの学校の冬のヴァカンス

フランスの学校(幼稚園〜高校)では、毎年2月に2週間の冬季休暇があります。この休暇中にスキー旅行へ出かける家族が多く、この冬季休暇を「スキー休暇」と呼ぶ人もいます。

2月はこの冬季休暇の影響で、スキー場や交通機関、高速道路が非常に混雑します。この混雑を多少でも解消するため、フランス全体が3つのゾーンに分けられ、冬季休暇期間は1週間づつずらして設定されています。参考までに、2021年度の冬季休暇は以下のような日程でした。学校へ行っている子供連れでないのなら、この期間の旅行(特に土曜日)は避けた方が賢明かもしれません。

ゾーンAリヨン、ボルドーなど2022年2月12日(土)〜2月27日(日)
ゾーンBニース、マルセイユ、ストラスブールなど2022年2月5日(土)〜2月20日(日)
ゾーンCパリ、トゥールーズなど2022年2月19日(土)〜3月6日(日)
参照元: フランス国民教育・青少年・スポーツ省公式ウェブサイト

全く余談になりますが、「休暇」を意味するフランス語が2つあるのをご存じですか?「vacances(ヴァカンス)」と「congés(コンジェ)」です。本来この2つには意味の違いがあります。前者は普段の環境(自宅など)と異なる場所へレジャー目的で4泊以上出かけること、後者は仕事や学業を休むことです。例えば、夏季休暇で学校へは行かないけど家で過ごす、という場合は正式にはヴァカンスとはみなされないのです。ただ実際のところは、フランス人でもこの2つを混同している人がかなり多く、きちんと使い分けられているケースが少ないので、違いをそこまで気にすることもないでしょう。

フランスのスキー場の歴史

現在では、山は冬にも夏にもフランス人に人気の旅行先ですが、19世紀前半まではレジャー目的で山へ行くという考えはなく、アルピニズムあるいは療養目的のクリマテラピーやテルマリズムのためなど、旅行者層は限られたものでした。19世紀後半になり、イギリス人がスイスなどの山にスキーを目的に滞在をするようになったのを皮切りに、山はヨーロッパの冬のレジャー旅行のデスティネーションとして徐々に発展していきました。ちなみに、夏の山が観光地として人気になったのは、これよりもさらに後のことになります。

フランスでは第二次世界大戦後になり、一般市民の間にもスキー旅行という習慣が広まり始めます。スキー人気の上昇による需要増加に応えるため、次々とスキー場も作られていきました。フランスのスキー場は、作られた時期により第一世代から第四世代の4タイプに区分されており、それぞれに異なった特徴を持っています。自分の好みに合ったタイプのスキー場を選ぶ参考にもなるので、簡単に紹介しておきますね。

世代別フランスのスキー場

第一世代

1940年以前に作られたスキー場は、第一世代(les stations de la première génération)と呼ばれています。

標高1000m前後の比較的低いところにあり、元々その地にあった村の周辺にスキー場が作られたものです。スキーのために整備されたリゾート地とは異なり、ゲレンデと村の中心は離れたところにあります。大抵の場合、宿泊施設や駐車場からゲレンデまでは、シャトルバスなどが運行しています。スキーをするには少し不便な部分がありますが、リゾートとは違う本物の村の雰囲気を垣間見ることができるかもしれません。

第一世代のスキー場の例:

  • Chamonix Mont Blanc
  • Saint-Gervais
  • Megève
  • Villard-de-Lans
  • Mont-Dore
  • La Clusaz

第二世代(エクスニヒロ)

第二世代は1945年から1960年の間、栄光の三十年間(Les Trente Glorieuse)の前半に作られたスキー場です。

標高1600〜1800mの、元々は何もなかった場所にスキーだけのために作り上げられたリゾートです。このことから、ラテン語で「虚無から」という意味の「ex-nihilo(エクスニヒロ)」と呼ばれることもあります。第一世代とは異なり、全ての施設が1箇所にまとまっていて便利なのが特徴です。また急増する需要に応えるべく、第一世代と比べると許容量が大幅に多くなりました。

第二世代のスキー場の例:

  • Courchevel
  • Méribel
  • Alpe d’Huez

第三世代

1960年〜1975年の間に作られたスキー場が第三世代です。フランス政府の大規模観光開発策の一環である「Plan Neige」という政策の下、大規模なスキーリゾートが次々と作られました。ちょうどヨーロッパに本格的にマスツーリズムが出現してきた時期でもあります。

標高2000m前後という非常に高いところにあるスキーリゾートです。ゲレンデ、自動車用道路、巨大な宿泊施設、レストラン、ショッピングゾーンなどスキー旅行の滞在に必要なものが全て1箇所に揃っているのが特徴です。

第三世代のスキー場の例:

  • La Plagne
  • Tigne
  • Val Thorens
  • Avoriaz
  • Isola 2000

第四世代

1975〜2000年にかけて作られたスキー場が第四世代にあたります。

どんどん巨大リゾート化する傾向にあったスキー場ですが、この時期になると、程よい規模のスキー場の良さが見直されるようになりました。第四世代のスキー場は、標高1600〜1800mと第三世代よりも低いところにあるのも特徴です。スキー後のアクティビティも充実していたり、建物も周りの環境に馴染む雰囲気のものが建てられるなど、スキーをするだけでなく村での滞在全体に配慮されたコンセプトになっています。

第四世代のスキー場の例:

  • Valmorel
  • Vaujany
  • Risoul
  • Lac blanc(アルザス)

※ ここでご紹介したフランスのスキー場の世代については、リヨン第2大学の観光学修士課程の授業の内容を基に書きました。なお、変化する需要に合わせて多くのスキー場は再整備、追加整備されています。作られた当時の特徴と現在では異なるスキー場もあることをご承知おきください。

Les Arcs

フランスの主なスキー場

フランス本土のスキー場は、大きく6つの地域に分けられています。参考までに6つの地域と主なスキー場名をリストアップしておきます。

アルプス北部(Alpes du Nord)
Alpe d’Huez, Courchevel, La Plagne, Val Thorens, Chamonix-Mont-Blanc, Saint-Gervais, Les Arcs

アルプス南部(Alpes du Sud)
Serre-Chevalier, Isola 2000, Risoul, Vars, Auron, Pra Loup, Montgenèvre

ピレネー(Pyrénées)
Saint-Lary-Soulan, Grand Tourmalet, Piau-Engaly, Cauterets, Peyragudes

マシフサントラル(Massif central)
Le Mont Dore, Le Lioran, Super Besse, Croix de Bauzon,

ヴォージュ(Vosges)
Le Lac blanc, Gérardmer, La Bresse Hohneck, Saint Maurice sur Moselle

ジュラ(Jura)
Les Rousses, Mont Jura, Métabief, Mouthe

参照元:France Montages

Courchevel

スキー&スノーボードだけじゃない、フランスのスキー場でできること

日本ではスキー&スノーボード人口が大幅に減少し、閉鎖に追い込まれるスキー場も出てきていますね。フランスはどうかというと、日本ほどではないにしても、やはり以前と比べると冬のレジャー全体に占めるスキーの割合は低くなってきています。また、長期滞在が多数派なので、気分転換にスキー以外のこともしたいという需要もあります。

そこで、各スキー場はスキーやスノーボードをしない人でも楽しめるよう、様々なアクティビティを提案するようになってきました。具体的にどんなことができるのか、一例を挙げてみましょう。どのスキー場で何ができるのかをウェブサイトなどで自分で調べたい方のために、各アクティビティの名前をフランス語でも記載しておきます。

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スノースポーツ系

  • スキー&スノーボード、クロスカントリー(Ski, slowbord, ski de fond)
  • 雪上ハイキング&スノーシュー(Randonnée sur neige, raquettes à neige)
  • スノースクーター(Trottinette en neige)
  • スノーサイクリング(VTT en neige)
  • 犬ぞり(traîneau à chien)
  • ソリ遊び(Luge)
  • パラグライダー(Parapente)
  • 雪上乗馬や馬ぞり(Equitation sur neige, traîneau à cheval)

リラックス系

  • 温水プール(Piscine climatisée)
  • ヨガ(Yoga)
  • スパ(Spa)
  • 地元特産品(Produits locaux)などのショッピング

アクティビティには入れませんでしたが、私個人的には、体を動かした後にゲレンデにあるカフェやレストランのテラスで、雪景色を眺めながらアペロをするのも欠かせない楽しみの1つです。また、上に挙げた以外にも、各スキー場がそれぞれ工夫を凝らした提案をしているので、スキー場の公式サイトを覗いてみるのもおすすめです。

フランス在住の方はもちろん、フランスへ旅行に来る方も、ぜひ一度フランスのスキー場を体験してみてはいかがでしょうか。スノースポーツの装備などは、スキー場やスポーツショップでレンタルできる物もあるので、服と靴、防寒用具を事前に用意していれば、できるアクティビティの範囲は意外と多いですよ。

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