タン・レルミタージュ – リヨンから電車で1時間、一度で3度楽しめる街
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リヨンから電車で1時間、日帰りでも行けるタン・レルミタージュ(Tain L’Hermitage)
リヨンからの日帰りのお出かけで、私が何度も行っている街タン・レルミタージュ(Tain L’Hermitage)。電車で1時間と便利なこともその理由の1つですが、タン・レルミタージュには私の好きなものが3つも集まっているのがいちばんの魅力です。
リヨンからの日帰り旅におすすめの場所を聞かれたら、必ず候補に挙がる街です。そんなタン・レルミタージュの私的3つの楽しみ方をご紹介したいと思います。
タン・レルミタージュの3つの楽しみ方
フランス有数のワイン産地のワインを現地で味わう
タン・レルミタージュは、私の好きなワイン産地の1つ、ヴァレ・デュ・ローヌ・セプタントリオナル(Vallée du Rhône septentrional)の南部に位置しています。「septentrional」は日本語に訳すと「北の」という意味で、つまりヴァレ・デュ・ローヌ北部。省略してRhône septentrional(ローヌ セプタントリオナル)と呼ばれることもあります。南北に長いワイン生産地域であるヴァレ・デュ・ローヌは、北と南ではワインの特徴も異なることもあり、ワイン好きな人の間では、ヴァランスまでの北部地域をセプタントリオナル、それより南をメリディオナルと区別します。
タン・レルミタージュ周辺には「クリュ」と呼ばれるアペラシオンが4つあります。ローヌ川左岸のエルミタージュ(HermitageまたはErmitage)、クローズ・エルミタージュ(Crozes-Hermitage)、右岸のサンジョゼフ(Saint-Joseph)、コルナス(Cornas)です。フランスワイン好きな方ならどれも聞き慣れている名前ではないでしょうか。またそれ以外に、広域アペラシオンのコート・デュ・ローヌ(Côte du Rhône)あるいはアペラシオンなしのVin de Franceも作られています。
前置きが長くなりましたが、フランス有数のワイン産地に囲まれたタン・レルミタージュ一帯には、当然のことながら多くのメゾンやドメーヌなどがあり、見学やテイスティングができるところもあります。
私はどちらかというと、大きなメゾンよりは小規模な生産者のワインが好きですが、タン・レルミタージュでは小規模な生産者を訪問する機会がまだありません。この記事ではこれまでテイスティングに訪問した2軒と、これから行きたいと思っている1軒をご紹介します。
Boutique Cave de Tain
Cave de Tain(カーヴ・ドゥ・タン)は、この地域のブドウ農家の生産協同組合(カーヴ コオペラティヴ / Cave coopérative、通称コオペラティヴ)で、組合員のブドウ農家のぶどうを集めてワインを作り、Cave de Tainブランドのワインとして販売しています。なお、コオペラティヴでありながら、ブドウ畑も所有しています。
タン・レルミタージュにあるCave de Tainのワイナリーにはショップが併設されていて、ショップ内のバーカウンターでテイスティングをすることもできます。ワインについてはもちろん、ブドウ畑の地理や土壌などについても説明をしてくれます。
また予約制ですが、ワイナリーの見学をすることもできます。(内容により料金が異なり、1人あたり11€〜62€です。(2022年10月現在の料金)
住所:22 route de Larnage 26600 Tain l’Hermitage
ショップの営業時間:月〜土 9:00-12:30 14:00-18:30 / 日 10:00-12:30 14:00-18:00(1月1日、5月1日、12月25日は休業)
ウェブサイト https://www.cavedetain.com/en/
カーブ見学予約 https://www.terresdesyrah.com/en/
Caveau M. Chapoutier
M. Chapoutierはタン・レルミタージュの大手老舗メゾン(ネゴシアン)です。タン・レルミタージュにあるSNCFの駅 Tain L’Hermitage – Tournonのすぐ近くにテイスティングルーム&ショップがあり、様々なワインの試飲ができます。M. Chapoutierはローヌ セプタントリオナル地域のワインだけでなく、フランス各地、また一部海外のワインも取扱いしていて、こちらのテイスティングルーム&ショップで購入することもできます。
住所:18 Avenue Dr Paul Durand, 26600 Tain l’Hermitage
ショップの営業時間:月〜金 10:00-13:00 14:00-19:00 / 土 10:00-19:00 / 日 10:00-18:00 (1月1日、12月25日は休業)
ウェブサイト https://www.chapoutier.com/en/
Vineum Paul Jaboulet Aîné
Paul Jaboulet Aînéは、M. Chapoutierと並ぶタン・レルミタージュの大手老舗メゾンです。エルミタージュの丘の上に立つチャペルの所有者でもあります。Paul Jaboulet AînéのVineumは、ショップとテイスティングだけでなく、ワインバーとレストランも併設されています。私はまだ行ったことがないのですが、今後機会があれば行きたい場所の1つです。
住所:25 place du Taurobole 26600 Tain l’Hermitage
営業時間:水〜土 10:00-19:00 / 日 10:00-17:00
Paul Jaboulet Aîné フェイスブックページ
世界の有名パティシエたちも愛用するチョコレート、ヴァローナの本拠地でショッピング
スイーツ好きなら知らない人はいないであろうフランスの有名チョコレートブランド、ヴァローナ(Valrhona)。リヨンでも人気のパティスリーやパン屋さんへ行くと、ヴァローナのチョコレート使用という表示を見かけることが多くあります。そのヴァローナの本社がここタン・レルミタージュにあります。
ヴァローナ本社の横には、ラ・シテ・デュ・ショコラ(La. Cité du Chocolat)というチョコレート博物館があり、チョコレートファンが子供から大人まで見学に訪れています。私は実は博物館の中にはまだ入ったことはありませんが、タン・レルミタージュへ行く度に立ち寄るのが、ラ・シテ・デュ・ショコラのショップです。扱っている商品のラインナップが充実しているのも魅力ですが、規格外品が安く買えたり、リヨンではなかなか見ないタブレットチョコレートも買うことができるんです。
チョコレート好きなら、ラ・シテ・デュ・ショコラの博物館を見学する時間がなくても、ショップだけでも行ってみることをおすすめします。
La Cité du Chocolat Valrhona
住所:12 avenue du Président Roosevelt 26600 Tain l’Hermitage
ブティックの営業時間:月 10:00 – 19:00 / 火〜土 9:00 – 19:00 / 日・祝 10:00 -13:00 14:00 – 18:00
絶景のブドウ畑をハイキング
私がタン・レルミタージュへ行く最大の目的が、絶景が見られるブドウ畑のハイキングです。ローヌ川左岸のエルミタージュの丘の上まで登ると、急斜面のブドウ畑とローヌ川を見下ろす絶景を見ることができます。また、ハイキングコースの途中には、先ほど紹介したPaul Jaboulet Aînéのチャペルもあります。
時間があれば、右岸のトゥルノン・シュル・ローヌの高台へも登ってみるのがおすすめです。手前にはサンジョゼフのブドウ畑とローヌ川、正面にはエルミタージュとクローズ・エルミタージュのブドウ畑を望むことができます。
どの季節でも絶景が見られますが、私が特に好きなのが、10月後半頃。ブドウの葉が黄金色に変わり、さらに美しい景色になります。11月後半になると葉が全て落ちてブドウ畑は少し寂しい感じになりますが、これもまた風情があって好きです。
タン・レルミタージュとトゥルノン・シュル・ローヌの両方をまわるハイキングコースはこちらです。コースの最後には、La Cité du Chocolat Valrhonaへも寄っています。
リヨンからタン・レルミタージュへの行き方
リヨンからタン・レルミタージュへは、フランス国鉄SNCFの普通電車TERを利用して約1時間です。タン・レルミタージュの駅名は、「Tain L’Hermitage – Tournon」。リヨン パールデューから乗り換えなしの直通で、1時間に1本程度運行しているので、日帰りも問題なくできます。本数は少ないですが、ペラーシュ駅/ジャンマセ駅発着のTERもあります。
TERはTGVと異なり事前予約の必要はなく、チケットはSNCFのウェブサイトまたは駅の窓口か自動券売機(TERと書かれた券売機)で購入できます。