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リヨンでのアクティビティ

リヨンで自分だけのオリジナルワイン作り体験

フランスのワインツーリズム事情

イタリア、スペインに次ぎ、世界第3のワイン生産量を誇るフランス(2021年現在)。観光客にとっても、ワイン文化はフランスを訪れる目的の1つです。観光客の様々な需要や期待に応えるべく、受け入れる側であるワインツーリズム関係者も、趣向を凝らしたアクティビティを提供する努力をし続けています。ワインツーリズムについては、私の修士論文のテーマでもあったので色々とお伝えしたいことはありますが、今回はこの辺で。

せっかくフランスへ行くなら、ワイナリー訪問などしてみたいと思う方は多いはず。フランスに住み始める前は、私もその一人でした。しかし、ワイナリーつまりブドウ畑がある場所は基本的には田舎で、車がないと不便な所が多いんですよね。パリやリヨンなどの都市発のワインツアーに参加するか、レンタカーを借りて自分で運転するかのどちらかがメインになります。(選択肢は限られるものの、電車などの公共交通機関で行ける所もありますが、このお話はまたの機会に。)

vignoble

修士学生という立場ではありましたがワインツーリズムに関わった身として、できるならワイン生産地へ行って、ブドウ畑やワイナリーを見学、生産者と直接コミュニケーションすることを強くおすすめします。ワインに対する見方がきっと変わることでしょう。しかし、時間や予算などの都合で難しい場合もありますよね。そんな場合におすすめしたいのが、リヨンにいながらできるワインツーリズムです。

そこでこの記事では、リヨンの中心部にある都市型ワイナリーで先日実際に参加してきた楽しいアクティビティのご紹介をしたいと思います。

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リヨン初の都市型ワイナリー Chai Saint Olive

今回参加した楽しいアクティビティはリヨン初の都市型ワイナリー Chai Saint Olive が主催するものです。本題に入る前に、まずは簡単にワイナリーのご紹介をしておきます。

都市型ワイナリーとは、文字通り「ワイン生産地ではなく、都市にあるワイナリー」のことです。ワイン生産に詳しくない方にはピンとこないかもしれませんが、ワイナリーが都市にあることはとても珍しく、最近になって流行の兆しを見せはじめているコンセプトです。フランスではマルセイユを皮切りに、現在ではパリ、ナント、ボルドー、リヨン、そしてランス、サンテチエンヌ、アンジェ、セートにあります。

ワインの生産は通常、ブドウ畑のすぐ近くの場所でされています。収穫されたブドウが腐敗してしまうことがないよう、すぐに製造に入る必要があるからです。また、大量のブドウを運ぶのにはコストもかかるため、できるだけ畑の近くで製造したほうがいいというのもあります。また、広い場所が必要なワイン製造。地価の高い都市では収益率も低くなりがちです。

前置きが長くなりましたが、Chai Saint Oliveは、リヨン6区のメトロA線 Foch駅からすぐのところに2020年にオープンした都市型ワイナリーです。当然のことながら、リヨンにワイン用のブドウ畑はないためブドウはこちらでは作られていませんが、醸造からボトル詰め、出荷までの過程全てが、ここリヨン6区のワイナリーで行われています。前を通りかかると、窓越しに大きなイノックスのワインタンクがいくつも並んでいるのを見ることができます。

ブドウは、ボジョレーやヴァレ・デュ・ローヌ北部など、リヨン6区のワイナリーから80km以内のところにある提携ブドウ農家の畑で栽培され、圧搾後すぐに果汁の状態でこちらへ運ばれます。使われているブドウ品種は白ブドウのシャルドネ、ヴィオニエ、そして黒ブドウのガメイ、シラーの4種。醸造にはイノックスのタンクとオーク樽の2種類が使われています。

Chai Saint Oliveのブランドで商品化されているのは、モノセパージュと言われる、1種のブドウのみから作るワインが8種類。リヨンはワインのアペラシオン(地域呼称)の地域外のため、Vin de France(フランス産ワイン)のカテゴリーに入ります。リヨン6区のワイナリーまたは提携のワインショップなどで購入できます。

Chai Saint Olive

リヨンで自分だけのオリジナルワインをアッサンブラージュ体験

Chai Saint Oliveはワインの製造と販売以外にも、ワインツーリズムアクティビティも提案しています。その1つが、自分だけのオリジナルワインをブレンドできるアトリエ「Assemblez votre cuvée」です。

このプログラムでは、いきなり直感でいろいろアッサンブラージュ(ブレンド)してみるのではなく、初めに醸造責任者のマリーさんの説明を受けながら、テイスティングの基本や、使用する4種類のセパージュ(ブドウの品種)の特徴について学びます。ワインテイスティングのレクチャーは、これまでに何度も受けたことがありますが、その中でもいちばん分かりやすい説明だったと言っても過言ではないかもしれません。

そして基礎を学んだら早速実践。目の前には4種類のセパージュのワインが入ったシリンダー4本と、空のシリンダーが1本。まるで理科の実験をするような気分です。空のシリンダーにアッサンブラージュしていき、これをグラスに移して試飲します。何度か割合を変えてテストしていくのですが、使ったセパージュの割合は毎回必ずメモしておきます。

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1回目のテストは、各セパージュの特徴を頭の片隅におきながら、全くの想像で「シャルドネ10%、ヴィオニエ10%、ガメイ50%、シラー30%」というアッサンブラージュ。仕上がりは「ん???」な味でした。何がいけなかったのか自分なりに分析しながら、醸造責任者マリーさんのアドバイスも受けつつ、最終的に5回のテスト。5回目のテストで何とか自分好みのワインが出来上がりました。

シャルドネは私の好きなセパージュの1つですが、単体だと美味しいのに、アッサンブラージュすると苦味をもたらすこともあるためテクニックが必要だそうです。そこでシャルドネを入れることは諦め、私のこの日のオリジナルワインの配合は「ヴィオニエ20%、ガメイ45%、シラー35%」となりました。

最後にこの配合でボトルに入れてもらい、昔ながらのワインコルク打栓機で自分で栓をして完成。用意されていたラベルに手書きでデザインを加えて仕上げとなります。できたワインは長期保管には向かないとのこと。商品化されるワインのような厳重な衛生管理の下にアッサンブラージュ&ボトル詰めする訳ではないためだそうです。せっかくの自分だけのオリジナルのワインが腐敗して飲めなくなったりしてしまっても悲しいので長くは待たず、この1ヶ月後にはおいしく頂きました。

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アッサンブラージュと聞くと難しそうなイメージをしがちですが、このアトリエは特に詳しい知識は全くなくても、ワインが好きであれば十分楽しめる内容だと思います。詳細や日程、申込みはこちらからできます。

Chai Saint Olive

住所:34 rue Malesherbes 69006 Lyon
電話:04 78 13 34 27
ウェブサイト: https://chaisaintolive.com/

リヨンでできるその他のおすすめワイン関連アクティビティ

ワイン生産地まで足を運ぶのと比べると選択肢は少なくなりますが、リヨンにいながらワイン関連のアクティビティに参加することはもちろん可能です。例えばこういったものがあります。

Chai Saint Olive

この記事で紹介したChai Saint Oliveでは、アッサンブラージュ体験以外にも2つのプログラムを提案されています。ワイナリー見学&テイスティング醸造責任者のお仕事体験です。

ワイン見本市

リヨンでは定期的にワインの見本市が開催されています。大きなものだと、フランス中から生産者が集まり、様々なワインのテイスティングや購入ができるので、1日中会場にいても飽きないくらいです。主な見本市をご紹介しておきます。

Salon des Vins des Vignerons indépendants

春と秋の年2回開催されます。秋は特に規模が大きく、リヨンで開催されるワイン見本市の中では最大です。出展者は全てヴィニュロン(vigneron)と呼ばれるブドウの栽培からワイン製造まで全ての過程を行なっている生産者で、日本に多く輸入されている大手メーカーのものとは違ったワインを楽しめます。

Lyon Tasting

Terre de Vinというワイン専門誌が主催するワイン見本市で、リヨンでは年1回秋に開催されます。入場料は少し高めですが、高級ワインが多く揃う見本市です。

Sous Les Pavés La Vigne

ビオ、ビオディナミー、そしてナチュラルワインの見本市で、リヨンでは年1回秋に開催されています。ワイン以外に、ワイン関連の本なども出展されています。

これ以外にも、小規模の見本市は多く開催されています。旅行中にワイン見本市へも行ってみたいという場合は、日程を組む時にインターネットで調べてみるといいでしょう。

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ワインテイスティングのレッスン

テイスティングのレッスンに参加するのもリヨンでできることの1つです。ワインスクールやソムリエが主催するレッスンの中には、1回完結のものもあります。ベルクール広場横にある、ポールボキューズインスティチュートが運営するL’école de cuisine gourmetでも、不定期でテイスティングレッスンが行われています。また、Lyon Wine Tastingsのような英語対応のコースなら、フランス語がわからなくても安心です。

ワインショップ巡り

リヨン中心部には、多くのワインショップ(フランス語ではcaviste)があります。大半のショップでは、きちんと教育を受けて資格も持っているワインのプロが接客と販売をしているため、ショップへワインを買いに行って相談するだけでも勉強になることが多くあります。

ワイン好きなら、リヨンで(もちろんフランスの他の街でも)ショップ巡りをしてみるのも楽しいはずです。

参考までに、リヨンで私がよく利用するワインショップをいくつかご紹介しておきます。

Vin Nature

リヨン市内に3店舗あり
1 rue Désirée 69001 Lyon
34 rue Chevreul 69007 Lyon
6 rue du Plat 69002 Lyon
ウェブサイト:https://www.vinsnature.fr/

Cave Roosevelt

46 Cours Franklin Roosevelt 69006 Lyon
ウェブサイト:https://caveroosevelt.com/

Le Troisième Fleuve

3 Rue du Plâtre 69001 Lyon

Antic Wine

18 Rue du Bœuf, 69005 Lyon

Vignes et vins

11 Cours Franklin Roosevelt 69006 Lyon
ウェブサイト:www.vignesetvinsfazeli.fr

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