pacs
フランス公的機関の手続き

フランス人とのPacs(パックス)で滞在許可証を更新申請する手続き

この記事は、2021年11月に私が滞在許可証更新の申請をした際の情報を基に執筆しています。

日本人がフランスに住むなら必ず必要なビザ/滞在許可証について

フランス滞在、90日以内かそれ以上かで変わること

日本人がフランスを含むシェンゲン協定加盟国へ行く場合、現地で報酬が発生する就労をしないなど一定の条件を満たせば、90日以内の滞在にはビザは不要です。正確に言うと180日間の内に90日以内とされており、90日目に一度シェンゲン協定加盟国外へ出たとしても、その後すぐに再入国することはできず、180日以内に90日のカウントがリセットされるのを待つ必要があります。また1カ国で90日ではなく、シェンゲン協定加盟国全体で90日となっています。

90日を超える滞在の場合は、渡航目的が何であるにしてもビザ(入国査証)を申請する必要があります。つまり、フランス(およびシェンゲン協定加盟国)滞在が90日を超えるかどうかで、ビザを申請しなければいけないかどうかが変わります。

なお何度も行き来をしていたり、滞在日数が90日ギリギリで不安な場合は、欧州委員会ウェブサイトにあるシミュレーターで計算することができるので、渡航計画前に確認をすると安心です。

ビザと滞在許可証の違い

ビザ(Visa)と滞在許可証(Titre de séjour)は混同されがちですが、全く違うものです。

ビザとは日本語に訳すなら入国査証。つまり入国に先立ち、事前審査を受けて承認された証明書のようなものです。ビザはフランスでの滞在を許可するものではなく、事前に申請した目的でフランスに滞在するための入国を許可するものです。

一方、滞在許可証(Titre de séjour)はフランスに滞在することを許可するもので、日本の在留カードのようなものです。滞在目的に応じて、様々なカテゴリーがあります。

4ヶ月を超える学生ビザなど一部のビザのように、VLS-TS(Visa de Long Séjour valant Titre de Séjour)という、フランス入国後に有効化手続きをすることで、滞在許可証の代わりになるビザもあります。VLS-TSの期限終了後もフランスに滞在する場合は、滞在目的に合った滞在許可証の更新申請をしなければいけません。ちなみに、VLS-TSはパスポートに貼り付けられていますが、更新後の滞在許可証はカードタイプです。

パックスで申請できる滞在許可証 Vie Privée et Familiale

滞在許可証には様々な種類があり、滞在目的に合ったものを申請します。フランス人とパックスしている場合は、Vie Privée et Familiale(通称VPF)という滞在許可証を申請することができます。フランス人と結婚している場合や、フランス国籍の子供の親、フランスに居住している外国人の家族などの場合と同じものです。

この滞在許可証Vie Privée et Familialeを持っていると、労働許可を申請することなく、フランスで働くことができます。

初めて滞在許可証を申請する場合にもらえるVPFの有効期限は1年。すでに滞在許可証を持っていて更新する場合は、2〜4年です。

参照:フランス内務省ウェブサイト

あわせて読みたい
フランスでのPacs(パックス)の手続きと必要な書類
slowvoyage.net

パックスで滞在許可証Vie Privée et Familialeを取得するための条件

フランス人とのパックスで滞在許可証VPFを申請するためには、一定の条件を満たしている必要があります。その条件とは以下のようなものです。

  • フランス人のパートナーとパックスしていること
  • パックスのパートナーとの関係が事実であること(つまり書類上だけの「偽装」でないこと)
  • パックスのパートナーとのフランス国内での共同生活が1年以上であること(一部の例外を除く)

この条件から分かるように、パックスで滞在許可証VPFを申請する際の重要ポイントは、パートナーとフランス国内で1年以上同居していることです。パックスではなく結婚している場合には、この同居期間1年以上という条件はありません。

なお、パックスの期間が1年未満でも、同居が1年以上であることを証明できれば問題ありません。下にも書いていますが、私は実際に、パックス期間1年未満、同居期間1年以上という状況で滞在許可証をもらえました。

参照:フランス内務省ウェブサイト

滞在許可証 Vie Privée et Familialeの手続き – フランス人とのパックスの場合

滞在許可証Vie Privée et Familiale申請の手続きは、過去にこのブログで紹介した学生や就職活動のための滞在許可証と異なる点があります。

ここでは、フランス内務省のウェブサイトに掲載されている情報と、私が2021年11月に申請した際の情報をご紹介したいと思います。

まずは、私の状況を簡単に書いておきます。

  • 日本国籍
  • すでに滞在許可証を持っていて、今回はカテゴリー変更をしての更新(旧:Recherche d’emploi et création d’entreprise → 新:VPF)
  • フランス人のパートナーとパックスしていて、パックス期間は申請日時点で8ヶ月
  • 申請日時点でのパートナーとの同居期間は1年1ヶ月

申請に必要な書類

フランス内務省のウェブサイトに掲載されている必要書類は以下の通りです。

  • 最新の情報が記載されている全部事項記載の出生証明書(Copie intégrale d’acte de naissance):すでに滞在許可証を持っている場合は不要
  • パスポート
  • 6ヶ月以内に発行された住居証明
  • 規格に則った証明写真3枚(ISO/IEC 19794-5規格
  • 一夫多妻制が認められている国の出身の場合、一夫多妻でないことの宣誓書(日本国籍なら不要)
  • パックス登録受付証と3ヶ月以内に発行されたパックス未解消証明書
  • パートナーのパスポートまたは国民身分証明カードのコピー
  • パートナーと確実で継続的な関係を維持していることを証明する書類
  • フランス在住期間を証明できる書類
  • 225ユーロの電子印紙支払い証明書(滞在許可証受領時に提出)
  • 更新申請の場合は、OFIIの市民講座を受講した旨の証明

これだけだと、一体何を準備したらいいのか分からないものがいくつかありますよね。県庁へ問い合わせるのがいちばんですが、問い合わせに対する返事がもらえない場合も頻繁にあります。参考までに簡単に解説を付け加えておきます。なお、私の個人的解釈での解説もありますので何卒ご了承ください。

最新の情報が記載されている全部事項記載の出生証明書

日本には「出生証明書」という書類はありません。同等の内容が記載されている書類は、戸籍抄本(個人事項証明)または戸籍謄本(全部事項証明)です。

内務省ウェブサイトの必要書類のリストには「Copie intégrale」と書かれていて、在仏日本大使館によると、その場合は大使館や領事館発行の「Extrait d’acte de naissance」ではなく、法廷翻訳家に「Copie intégrale」の法廷翻訳を依頼するようにとのことです。しかし、以前に同じようなケースで領事館発行の「Extrait d’acte de naissance」が通ったこともあります。私はすでに滞在許可証を持っていたため今回は提出していないため真相は分かりませんが、担当者によるのでしょうか。

アポスティーユ
あわせて読みたい
アポスティーユとActe de naissance(出生証明書)について
slowvoyage.net/etudierenfrance/apostille

6ヶ月以内に発行された住居証明

フランスの事務手続きで必ずと言っていいほど登場する「住居証明」ですが、住所が書かれた家賃や公共料金の請求書などがこれにあたります。提出先によっては、携帯電話の請求書は不可な場合もあります。

パックス登録受付証と3ヶ月以内に発行されたパックス未解消証明書

パックス登録受付証(Copie du PACS)は、役所でパックスの登録をした際にもらえる「Récépissé d’enregistrement du Pacs」のことです。内務省や県庁のウェブサイトにもこう書いてあればわかりやすいのですが、なぜかCopie du Pacsと書かれています。

パックス未解消証明書(Attestation de non dissolution)は、内務省へeメールまたは郵便で発行依頼をします。内務省のウェブサイトのこちらのページに依頼用のフォーマットがあるので、それをコピー&ペースト、必要事項を記入します。何か事情がない限りはeメールで依頼した方が早く受け取れるはずです。私はeメールで依頼しましたが、2日後にまずはメール添付で、その後郵便でも同じ内容のものが送られてきました。郵便だと1ヶ月くらいかかったという噂も聞いたことがあります。

パートナーとの確実で継続的な関係を維持していることを証明する書類

フランス語での記載は「Justificatifs par tout moyen de l’entretien de relations certaines et continues avec le partenaire pacsé français」となっていて、何がこの証明にあたるのか曖昧ですが、ローヌではない別の県庁のウェブサイトに以下のような例が挙げられていました。

  • 県庁での申請時にパートナーも同行すること
  • 共同生活の宣誓書(私は申請時に県庁の窓口で用紙を渡され、記入しました。)
  • 共同名義の銀行口座の出入金明細
  • 税額通知書
  • 住民税の証明書
  • セキュリテソシアル、ミュチュエル、各種保険などの証明書
  • 電話、電気、ガス、インターネットなどの請求書

いずれも、共同名義になっているなど、一緒に生活をしていることが書面上でわかる必要があります。また1通のみでは不十分で、パックス期間分全てを用意するようにと書かれていました。つまり、公共料金の請求書のように月ごとに発行される書類であれば、パックス期間の月数分揃えることになります。

フランス在住期間を証明できる書類

こちらも少し曖昧ですが、過去のビザや滞在許可証のコピーなどがそれにあたるようです。全てデータ化されているこの時代、県庁のデータベースに入国以降の履歴も登録されているのではないかと思うのですが、リストに入っています。

滞在許可証VPF申請のために私が準備した書類

申請当日に窓口で書類が不足していることに気づいても面倒なので、思いつく限りの書類を準備して持参しました。提出したものと、していないものに分けてご紹介します。正直なところ、たくさんの書類を集めて分類するのが結構大変で、何度も投げ出したくなりました。しかし、これをしないことには滞在許可証ももらえないと自分に言い聞かせて頑張りました。

実際に提出した書類

一部、どの期間分を準備したのか記載している書類があるので、分かりやすいように先に説明を加えておきます。VPFの申請をしたのが2021年11月上旬、2020年10月から同居、2021年3月にパックスをしています。

  1. 申請書
    予約日の数日前にメールで県庁から送られてきたフォームに記入&持参しました。
  2. 有効な滞在許可証のコピー
  3. パスポートのコピー(顔写真のある身分証明のページ)
  4. 証明写真2枚:リストには3枚とありましたが、2枚のみ回収されました。
  5. 住居証明として最新の家賃請求書
  6. パックス登録受付書(役所でパックスをしたときにもらったレセピセ )
  7. パックス未解消証明書
  8. パートナーのパスポートおよび国民身分証明カードのコピー
  9. 修士号のディプロム
    フランスの高等教育機関のディプロム所持者はOFIIの市民講座受講が免除されるため提出しました。
  10. 共同生活宣誓書
    申請時に窓口で用紙を渡され、その場で記入しました。
  11. アパートの共同名義の契約書
  12. 過去1年分の家賃の請求書
    2021年3月に私の名前を賃貸契約に追加したため、2020年10月〜2021年3月はパートナー1人の名義、2021年4〜10月は2人の連名。
  13. 私名義の携帯電話の請求書(2020年10月〜2021年3月分)
  14. Caf発行の補助申請却下の書類(2021年3〜10月の期間について証明されているもの1通)
  15. パートナーのミュチュエル(共済保険)に配偶者として加入している旨の証明書(2020年10月以降)
  16. パートナーの2019年の所得税額通知書
  17. 私の2020年の所得税額通知書

窓口では、担当の係員に言われた書類を1つずつ渡して確認していくという手順でしたが、10番まではお決まりの書類のようでスムーズに進みました。11番以降は担当者とどの書類が最適なのか相談しながらの提出。要は、1年以上同居していることを証明できる書類が2種類以上必要だったのですが、1年分の共同名義の書類がなかったため、複数の書類を組み合わせて証明することになりました。

はじめてVPFを申請する場合、1年分の共同名義の請求書などがないことも頻繁にあるようです。同居を始めたらすぐに名義変更をしておくのがいちばんですが、残念ながら、過去に戻って手続きをすることはできません。私も2021年3月以前のものが全くなかったのですが、県庁の担当者が臨機応変に対応してくれ、パートナーと私それぞれ別の書類だけど同じ住所が書かれているものを照らし合わせ、同居の証明としてもらいました。

準備したけど提出しなかった書類

  • パートナーの出生証明書
  • 過去のビザと滞在許可証のコピー
  • 過去の在学証明書(リヨン第2大学修士課程のもの)
  • Pôle Emploiへの登録証明
  • DALF C1 合格証
  • セキュリテソシアル加入証明
  • フランス入国後にした仕事全ての労働契約書(季節労働も含む)
  • 過去のフランスでの給与証明書全て
  • 私の2018年、2019年の非課税証明書
  • インターネット料金の請求書
  • 水道料金請求書
  • 2020年の収入申告の受領証明書

パートナーとの確実で継続的な関係を維持していることを証明する書類は、各自の状況により非常に様々です。私のケースだけでは十分でないかもしれないので、同時期にフランス人とのパックスでVPFを申請した友人が提出した書類も参考として以下にご紹介しておきます。

  • 出生証明書
  • パスポートのコピー
  • 有効な滞在許可証のコピー
  • パートナーの国民身分証明カードのコピー
  • EDF(電力会社)の証明書
  • 証明写真3枚
  • パックス登録受付証
  • パートナーの出生証明書
  • 労働契約書
  • 給与明細
  • 修士号のディプロム
  • 税額通知書
  • 共同名義の銀行口座明細
  • 個人の銀行口座明細
  • 健康診断書
  • ミュチュエルの証明書
  • パートナーの給与明細

ご覧いただくとわかるように、私の場合と内容が異なります。ちなみに、彼女も同じくローヌ県庁(リヨン)で申請しています。

申請の手順 – ローヌ県庁(リヨン)の場合

最後に、リヨンのローヌ県庁で私が申請した際の手順を簡単にご紹介します。

  1. 県庁のウェブサイトで申請の予約(6月末に予約を取り、いちばん早く空きがある日が11月上旬でした。)
  2. 書類の準備開始(9月上旬から徐々に)
  3. 県庁からメールで召喚状と申請書のフォーマットが届く(申請日の4日前)
  4. パートナー同行で県庁へ出向いて申請、6ヶ月有効のレセピセを受領(11月上旬)
  5. SMSで滞在許可証ができた旨の通知(申請から約1ヶ月半後)
  6. SMSに記載のリンクから滞在許可証受領の予約(12月下旬に予約を取り、いちばん早く空きがあるのが1月3日でした。)
  7. Direction générale des finances publiquesのウェブサイトで225ユーロ分の電子印紙を購入
  8. 1人で県庁へ出向いて滞在許可証を受領(1月3日)

申請の手順はお住まいの住所を管轄する県庁によって異なるので、各県庁のウェブサイトなどで確認してください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください