フランス旅行

マルセイユの治安は悪いの?3日間滞在して感じたこと

パリ、リヨンに次ぐフランス第3のメトロポールマルセイユですが、治安がよくないというイメージを持っている人が多くいますよね。フランス人に聞いてもそう言う人もいます。でも実際のところはどうなんでしょうか。

旅行者の一人として、そして地域観光開発学の修士学生としての視点で、少しだけ分析してみようと思います。

※フランスの地方行政は、多くの分野で、市ではなくメトロポールなどのEPCI(自治体間協力広域行政組織)といういくつかの自治体が集まった組織が中心となっています。観光開発もその分野の1つです。そのためここでもその単位を基準として書いています。

2012年はじめてのマルセイユで感じたこと

私が初めてマルセイユへ行ったのは2012年です。正直に言うと、駅から出た瞬間に「この街なんか怖い雰囲気」と意味もなく感じました。今でも理由はわかりませんが、その時点で訪れたことがあったフランスの30近くの街の中で、そう感じたのはマルセイユのみでした。

2018年マルセイユ再訪で感じたこと

それ以来、何となくマルセイユへ行くのを避けていたのですが、今回思い切って再訪することに。結論から言うと、前回とは全く違う印象を持ちました。街の中を普通に散策しても大丈夫という感覚です。

到着した日は夜の9時過ぎにサン・シャルル駅の大階段付近をひとりで歩いても全く怖い感じはしなかったですし、翌々日には市内中心の至る所を歩き回りましたが、同じような印象でした。

あわせて読みたい
[タビナカの旅]リヨン発着 – 冬のコートダジュール&イタリア・ヴァンティミリア
slowvoyage.net

6年間の間にマルセイユで何が起こったのか

2012年と2018年で私のマルセイユに対するイメージが大きく変わったのは、私が鈍感になったのか、あるいは本当に何か変わったのかですよね。おそらく後者なのではないかと思いますが、そのきっかけになった出来事を2つ見つけました。

この記事を書くにあたって詳しい調査などはしていません。あくまでも私の個人的な見解として読んでくださいね。

2013年 欧州文化首都

マルセイユは、2013年欧州文化首都(Capitale européenne de la culture)に指定され、さまざまな文化行事が行われました。そして、それをきっかけ文化的側面が急速に発展しました。

欧州文化首都として文化行事を促進していくということは、つまりマルセイユに多くの訪問客を呼ぶということになります。危険な街には進んで来たいとは誰も思いませんよね。そのため、大規模な治安改善対策が行われたのではないかと推測します。

また、文化活動が盛んになると、観光客からの注目度が高くなるだけでなく、住民の意識も必然的に変わってくるものです。そういった点も、間接的にマルセイユの治安改善にひと役買ったのかもしれません。

ちなみに、今ではマルセイユを代表する博物館となった「Mucem(欧州・地中海文明博物館)」も、マルセイユが欧州文化首都だった2013年に開館しました。

2019年 プロヴァンス・ガストロノミー ・イヤー – MPG2019

マルセイユは地域経済発展のために、地中海地域のナンバーワン観光都市になるべく観光開発計画を進めています。

その一環として、マルセイユを県庁所在地とするブーシュ・デュ・ローヌ県の観光開発機構Provence Tourismeは、今年2019年をプロヴァンス・ガストロノミー ・イヤー(Année de la Gastronomie en Provence)とし、美食をテーマにした観光促進をしています。

したがって、今年2019年は、マルセイユでも美食をテーマにした様々なイベントが開催されています。観光客に安心してマルセイユに来てもらえるよう、プロヴァンス・ガストロノミー ・イヤーに先立ち、さらなる治安改善策が行われたのではないかと思います。

なお、プロヴァンス・ガストロノミー ・イヤーは2019年一年間に渡り様々なイベントが開催されます。今年マルセイユに旅行予定の方は、一度チェックしてみるのもいいかもしれません。プログラムはMPG2019公式サイト(フランス語または英語)で確認できます。

マルセイユの治安は結局どうなのか?

あくまでも個人的な感想ですが、マルセイユの治安は、一般的にイメージされているほど悪くないのではないかと思います。実際、滞在した3日間、一度も危険だと感じることもありませんでした。

ただし、これはマルセイユに限らずフランスのどの街にも共通することですが、自分自身が常に気をつけていることが重要です。フランスは基本的には安全な国ですが、日本と同じ感覚でいては危険な思いをする可能性が高くなります。

例えば、高価なブランド品を身につけて街中をフラフラと歩いたり、公共交通機関に乗るというのは論外です。一般人の目から見ても、無防備な人にしか見えません。

また慣れない街で、夜遅くに人通りの少ない場所へ行ったりするのも避けた方がいいでしょう。

こういった最低限の注意を払っていれば、マルセイユは決して危険な街ではないのではないかと思います。

あわせて読みたい
[マルセイユ] 気軽に行ける絶景スポット – カランク国立公園
slowvoyage.net

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください