マルセイユの穴場スポット!気軽に行ける絶景スポット – カランク国立公園
マルセイユというと港町、都会、多人種の街というようなイメージが強いですよね。でも息を呑むほど美しい景色を見られる自然たっぷりな一角もあるんです。
今回は、その自然たっぷりな部分のマルセイユをご紹介したいと思います。実はマルセイユに苦手意識持っていた私ですが、この景色を見たことで一瞬でマルセイユのファンに転身しました。
この記事の目次
カランク国立公園とは
カランク(calanque)とは、フランス・プロヴァンス地方の地中海沿岸に見られる特徴的な地形で、切り立った岩に囲まれた入江のことです。
このカランクと呼ばれる入江がいくつもあり、それを含む一帯が国立公園に指定されています。それがカランク国立公園(Parc national des Calanques)です。海、陸の両方が1つの国立公園に含まれている珍しい例です。
カランク国立公園は、マルセイユとカシ(Cassis)、ラ・シオタ(La Ciotat)の3つのコミューンにまたがっていて、その領域内には複数のカランクがあります。それぞれを大きく分類するためにLes Calanques de Marseille(マルセイユのカランク)、Les Calanques de Cassis(カシのカランク)、Les Calanques de la Ciotat(ラ・シオタのカランク)と呼ばれることもあります。
フランスの国立公園
フランスの国立公園(Parc national de France)とは、類まれな自然遺産をもつ区域として保護されています。保護されていると言っても、基本的には誰でも自由に入ることができ、ハイキングやトレッキングを楽しむ人たちがたくさんいます。
フランスには、海外領も含めて以下の10つの国立公園があります。カランク国立公園は10つの中で最も最近、2012年に国立公園に指定されました。
- la Vanoise
- Port-Cros
- les Pyrénées
- les Cévennes
- les Ecrins
- le Mercantour
- la Guadeloupe
- la Guyane
- la Réunion
- les Calanques
また、フランスには国立公園以外に、地域自然公園(Parc Naturel Régional)に指定されている区域もあり、その数は60近くにも及びます。国立公園とは違い、特別な規則に基づいて保護されているわけではありませんが、サスティナブルディベロップメント(Sustainable Development、フランス語ではDéveloppement durable)に取り組んでいる区域です。
カランク・ドゥ・マルセイユ
カランク国立公園の中でも、マルセイユのカランク(Les Calanques de Marseille)は、マルセイユ市街から近くてアクセスしやすいので、観光で訪れる人にもおすすめです。
私は2日間のマルセイユ滞在中に、その中のカランク・ドゥ・スギトン(Calanque de Sugiton)を訪れましたが、半日ほどで思う存分満喫することができました。
カランク・ドゥ・スギトンはいくつかあるカランクの中でも特に美しい景色が見られるため、フランス人にも非常に人気です。一部を除き、山道もきちんと整備されているので、とても歩きやすいですよ。私が訪れた時には、小さい子供連れの家族の姿も多く見かけました。
また、夏には海側からボートでカランクを訪れるツアーも多くあります。詳しくはマルセイユ観光局のウェブサイトなどで確認してみてくださいね。
マルセイユ市街からカランク・ドゥ・スギトンへの行き方
ツアーではなく自分で行きたい人のために、マルセイユ市街からカランク・ドゥ・スギトンへの行き方もご紹介しましょう。
カランク・ドゥ・スギトンへ行くハイキングコースの入り口は、マルセイユのルミニィ(Luminy)という地区にあります。そこから徒歩でカランクまで向かうことになります。
メトロ&バス利用の場合
まずはメトロ2号線で、「Rond point du Prado」駅まで行きます。そこで21番バスに乗り換えて終点の「Luminy」または終点の1つ手前で下車すれば、ハイキングコースへの入り口へすぐです。
トラム&バス利用の場合
メトロではなくトラム利用の場合は、トラム3号線で終点の「Castellane」まで行きます。そこから同じく21番バスに乗り換えで終点またはその1つ手前で下車となります。
なお、21番バスは日曜日と祝日は本数が少なめですので注意してくださいね。
バス停からハイキングコースへの入り口までの道が少しわかりづらいかもしれませんので、行く前に観光局で地図をもらっておくと安心です。
カランク国立公園へ行く時の注意事項
マルセイユ市街からアクセスも良く、行きやすいカランク国立公園ですが、やはり大自然の中を歩くことになります。街を歩くようなつもりで行くと危険なこともありますので、きちんと準備はしていきましょう。
靴と服装
カランク国立公園へ行くのに、最も大切なのは靴でしょう。いちばんいいのは、ハイキングやトレッキング用の靴です。途中少し足元が悪いところを歩くことになるコースもあるので、その方が安心です。
実は私はハイキング用の靴などを用意していない状態で急遽行くことになりました。普段履いているスニーカーで行きましたが、やはり足元が悪いところは少し慎重に歩く必要がありました。ただ、スニーカーでも全く無理ということはありませんでした。
また、服装も動きやすい服装が必須です。できれば両手が自由になるリュックだと楽だと思います。さらに、特に夏は太陽の日差しがとても強いので、日除けのための帽子なども必須です。
持参すべきもの
国立公園は観光を目的とした区域でないため、売店などはありません。そのため、水などの飲み物、そしておやつまたはランチなどの食べ物は必ず持参するようにしましょう。ゴミが出た場合は、もちろん全て持ち帰ることも忘れないように。
暑い季節であれば、荷物が重くなりますが、十分過ぎると思うくらいの水を持っていくと安心です。
自然環境保護区域であることを忘れずに
カランク国立公園の美しい景色は、ここの豊かな自然が作り出しているものです。特に近年、この景色を見るために多くの人が訪れるようになり、環境破壊が懸念されています。カランク国立公園は私たち人間の娯楽のために作られた場所ではなく、動物や植物のための場所だということを忘れずに責任ある行動を心がけましょう。
カランク国立公園の公式ウェブサイトから、基本的な注意点を以下に抜粋しておきますので、訪問の際は参考にしてくださいね。
- 自分の安全は自分で守りましょう。
- 山火事防止のため、国立公園内は火気厳禁です。水辺であっても火の使用は禁止されています。
- ゴミは全て持ち帰りましょう。国立公園内にはゴミ箱は一切設置されていません。
- 公園内に住んでいる動物の生活環境保護ために、騒音厳禁です。
- 整備されている道から逸れた場所には決して足を踏み入れてはいけません。
- 訪問前にしっかりと経路などの下調べをしましょう。 一般的な地図アプリの情報は、国立公園内では信用できません。
- 公園入口までは公共交通機関を利用しましょう。
なお特に夏季は、山火事の危険度が高い日には立ち入り禁止となります。カランク国立公園へ向かう前に、マルセイユ観光局などに情報確認をすると安心です。