Fête des Lumières
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リヨン最大のイベント「光の祭典 – Fête des Lumières」2021年の見どころは?

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光の祭典 – Fête des Lumièresとは

光の祭典は、毎年12月8日を含めた4日間にフランスのリヨンで開催されるお祭りです。街の中心部に壮大な光と音のインスタレーションが設置され、これを鑑賞しながらリヨンの街中を巡ります。

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リヨンの街中が光で溢れる4日間となり、リヨン市民だけでなく、フランス各地また海外からも非常に多くの人が訪れるイベントです。2019年の訪問者は180万人、過去最高となった2014年の300万人よりは少ないものの、昨今のフランスの情勢などを考えると、かなり多い人数と考えていいのではないでしょうか。

Fête des Lumières

多くの観光客を惹きつけて止まないこの光の祭典ですが、実はその起源はキリスト教と深く関わっていることはご存じでしょうか。光の祭典およびフルヴィエール・ノートルダム大聖堂の公式ウェブサイトを参考に、その歴史を手短にまとめてみました。

時は遡り17世紀、フランスでペストが大流行しました。1643年9月8日、南仏から迫ってくるこの疫病からリヨンを守ろうと、プレヴォ(現在で言う市長にあたる役職)とその助役、そして多くの市民たちがマリア様へ祈りを捧げるためにフルヴィエール・ノートルダム大聖堂へお参りしました。そのご利益でリヨンはペスト流行の被害から免れることができたのです。以降毎年9月8日には、リヨン市長と市議会委員がフルヴィエール・ノートルダム大聖堂へお礼参りをするようになりました。

さてペスト流行から約200年後の1850年、宗教関係者によりフルヴィエール・ノートルダム大聖堂に聖マリア像を建立する計画が起こされます。1852年9月8日に予定されていたマリア像のお披露目ですが、ソーヌ川の増水などの影響で3ヶ月後の12月8日に延期されます。実はこの12月8日も悪天候で式典の開催が危ぶまれましたが、直前に天候が回復し無事にお披露目となりました。これがFête des Lumières(光の祭典)の起源です。

その後、現在のように4日間に渡るイベントとなったのは1999年のことです。

2021年の開催日

2021年のリヨン光の祭典は、12月8日(水)から12月11日(土)の4日間に渡り開催されます。

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開催日は固定ではなく、12月8日を含めた4日間で毎年変動します。過去2回の開催日を見てみると、2019年は12月5日(木)から8日(日)、2018年は12月6日(木)から9日(日)でした。より多くの人に来てもらえるよう、週末を入れた日程になるようにされているようです。

Fete des Lumières

過去2回の中止

リヨンの一大イベントであるこのFête des Lumières(光の祭典)ですが、近年で2回中止となったことがあります。パリ同時多発テロがあった2015年、そして新型コロナウィルス蔓延の影響を受けた2020年です。

今年も光の祭典直前のこのタイミングで、コロナウィルスの異変株オミクロン株の感染が急増しています。多くのリヨン市民が、万全の感染予防で訪れる人々の安全を確保しつつ、無事に開催維持となることを願っています。

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光の祭典、ここだけは見たいおすすめスポット

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リヨンの中心部すべてが見どころだと言っても過言ではないのですが、その中でも特に見逃せないスポットを私目線でセレクトしてみました。2021年のインスタレーションの情報については、光の祭典の公式ウェブサイトを参考にしています。

ベルクール広場

ベルクール広場(Place Bellecour – プラス・ベルクール)は、リヨンメトロポールの観光局ONLY LYONがあることもあり、リヨンを訪れる観光客が必ずと言っていいほど立ち寄る場所の1つです。歩行者専用の広場としてはヨーロッパ最大の面積を誇るこのベルクール広場、光の祭典期間中は壮大なインスタレーションの舞台となり、まるで光のショーの中に迷い込んだような印象を受けます。2021年のインスタレーションのテーマは「La vague」、フランス語で「波」という意味です。

ジャコバン広場

ベルクール広場から少し北へ上がったところにあるジャコバン広場(Place des Jacobins – プラス・デ・ジャコバン)。中央に美しい彫刻の噴水がある小さな広場です。周りはおしゃれなお店が軒を連ね、ショッピングスポットでもあります。光の祭典期間中には、この広場の噴水がイルミネーションの光を浴びて輝きます。その様子には、とても幻想的です。

2021年の光の祭典では、ジャコバン広場は「Les Lumignons du Cœur」という福祉活動の会場となり、リュミニョン(Lumignon)と呼ばれるキャンドルで作られる大きな壁画が設置されます。このリュミニョンは、光の祭典の期間中1つ2ユーロで販売され、その売上金は寄付されます。寄付先は年により替わりますが、今年はリヨン市長の意向により、Gaelisという貧困に悩む学生を援助するアソシエーションへ寄付されるそうです。また、会場まで足を運んでこの福祉活動に参加できない人のために、e-lumignonというオンラインキャンドルを灯すことができる企画も同時開催されます。光の祭典を観るためにリヨンまで行くことはできないけど、「Les Lumignons du Cœur」に参加したいという場合は、こちらの専用サイトでオンラインキャンドルe-lumignonを灯すことができます。会場と同じく1つ2ユーロで購入できます。

テロー広場

テロー広場(Place des Terreaux – プラス・デ・テロー)は西をリヨン市庁舎、南をリヨン美術館(Musée des Beaux Arts de Lyon)に囲まれた広場です。広場を囲む歴史的な建物に壮大なプロジェクションマッピングが写し出され、数ある光の祭典の会場の中でも、最も多く人が集まる場所の1つでもあります。2021年のインスタレーションのテーマは「Le lapin dans la lune」、月の中のうさぎです。

サン・ジャン大聖堂

リヨン旧市街の中心にあるサン・ジャン大聖堂(Cathédrale Saint-Jean – カテドラル サン・ジャン)も光の祭典のインスタレーションの会場の1つです。1175年から1481年にかけて建設された歴史的な大聖堂のファサードをプロジェクションマッピングが彩ります。2021年のテーマは「Iris」、ギリシャ神話の虹の女神イーリスです。

フルヴィエールの丘

先にご紹介した光の祭典の歴史からもわかるように、このイベントの中心はやはりフルヴィエール・ノートルダム大聖堂です。プレスキル地区からソーヌ川を挟んでフルヴィエールの丘を望める場所からは、旧裁判所の建物などに映し出される壮大なプロジェクションマッピングを観ることができます。また、ノートルダム大聖堂の傍には「Merci Marie(マリア様、ありがとう)」というメッセージも灯されます。2021年のフルヴィエールの丘のインスタレーションのテーマは「Visions」、ヴィジョンです。

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イルミネーションの場所が一眼でわかるマップ

光の祭典のおすすめスポットをご紹介しましたが、リヨンに詳しくない方には位置関係が分かりづらいかもしれません。光の祭典の公式ウェブサイトに、各インスタレーションの場所が一眼でわかる地図があるので参考までにリンクを載せておきます。

Fête des Lumières
光の祭典 インスタレーションマップ
La carte|Fête des Lumières
www.fetedeslumieres.lyon.fr/fr/carte
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光の祭典を訪れる際に注意したいこと

リヨン光の祭典は、多くの人を惹きつける非常に魅力的なイベント。機会があればぜひ一度は訪れて欲しいのですが、訪問する際には注意したい点がいくつかあります。

寒さ対策は万全に
真冬のリヨン、しかも屋外に長時間滞在することになります。年により差はありますが、この時期は冷え込むことが多いので、これでもかというくらいの防寒対策は必須です。寒さ対策が十分でないと、存分に楽しめないだけでなく、風邪を引いてしまうことにもなりかねません。

スリに要注意
フランスでは人混みには付き物のスリ。人が多く集まるイベントでは細心の注意を払う必要がありますね。光の祭典は外国人観光客も多く訪れるイベントのため、さらにリスクが高まります。荷物は最小限に、不要な貴重品は持ち歩かないことをおすすめします。

公共交通機関を利用
光の祭典の会場となるリヨン中心部一帯は、セキュリティ確保のためフェンスで囲まれ、指定の出入口からのみ出入りができるようになります。もちろん車両の進入は禁止となります。また、会場周辺は渋滞したり、駐車する場所が見つからないなど、車で来ようとすると良いことは何もありません。公共交通機関の利用、可能であれば徒歩で訪れることを強くお勧めします。また、公共交通機関も大変混雑するため、スリには十分注意して下さい。

ホテルの予約は早めに
光の祭典の開催時間は夜のため、リヨン在住でない限りはどこかに宿泊する必要があります。大都市のリヨンは普段から訪問者も多く宿泊施設も充実しています。しかし、光の祭典期間にリヨンを訪れる人の数普段とは比較にならないほど。当然、宿泊施設も不足状態になるのです。この時期にリヨンへ来るのなら、早めに計画してホテルの予約もするのが安心です。

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リヨン市民は光の祭典をこう祝う

数々の光のインスタレーションが多くの人を惹きつけて止まない光の祭典ですが、リヨン市民にとってはそれ以上に特別な意味があります。

フルヴィエール・ノートルダム大聖堂の聖マリア像がお披露目された12月8日に、自宅の窓にリュミニョンと呼ばれるキャンドルを灯します。リヨン中の窓にこのリュミニョンが灯され街は光に包まれるのです。毎年12月8日が近づくと、リヨンの多くの商店でリュミニョンが売られているのを目にします。

光の祭典のイベント自体は中止になった2020年も、12月8日はリヨンの家々の窓にはリュミニョンが灯され、光で溢れていました。

Fête des Lumières

※ 記事内のインスタレーションの写真は、2018年または2019年のものです。

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